結局,推定結果がよくわからないままに発表することになりました.発表したのは僕ではなくて共著者の先生なんですが.解釈が問題になるので,推定結果が不安定で,推計結果がいろいろと変わってしまうのでは困ったものなのですが.「やってみました」ではいかん,というのが指導教官からのコメントでした.まあたしかに.漸進的税制改革へのインプリケーションはあるのですが,それを言うには結果がまだ定まっていないのは困ったものです.なんとかしないと.なんとかって.夕方からはイギリスへいらっしゃる先生の壮行会にお邪魔しました.論文でしか名前を拝見したことのないいろいろな先生方がいらっしゃってどきどきしました.高級そうな中華料理をいただいたのですが,緊張のあまりよくわかりませんでした.惜しいことしたと思います.ううむ.これではいけませんね.
で,おとといの続き.convertible dollarの話ですが,キューバ好きの優秀な後輩からわざわざメールをいただいてしまいました.ここで感謝いたします.ありがとう.で,彼によると,convertible dollarはおもに現地のキューバ人が使っていて,海外ではキューバペソを買うことも売ることもできず,国内でもペソをドルに交換することはできないんだそうです.キューバペソとアメリカドルは固定為替相場制を採っており,2002年は1ドル=26ペソです.観光客はよほどの人ではない限りドルで買い物ができるため,convertible dollarやキューバペソに出会うことはないんだそうです.で,その彼によれば,convertible dollarの存在意義はやはりマネーサプライの調節にあると考えているようです.
しかし.彼の話が本当なら(本当なんでしょうが),なぜ2種類の通貨を持つ必要性があるのか定かではありません.金銀両本位制とかいうのがあったような気もしますが,あれも2種類の通貨ではないですよね(←かなり自信ない).たしかに,ドルとペソの2種類の通貨が流通しているとき,アメリカドルとconvertible dollarの和がマネーサプライとして意味があるとすれば,アメリカドルの流入を制御できない以上,convertible dollarによってマネーサプライはコントロールできますが.むむ.だいたい,「貨幣が出てくる」「国の数が2以上」という僕の苦手な条件が両方そろっているのでよくわかりません.うーむ.来年からA大学でオープンマクロを教える人にでも聞いてみましょうかねえ.