バンビちゃんは根本のところで何かあたし達と感覚がずれている。
本人は、一生懸命なのかもしれないが、それがこちらには伝わってこない。
本人は、悪意はないのだろうが、やることがいちいち気に触る。
新人は初めてのことは慎重に、もしもミスしたら次は同じミスをしないように気を付ける、わからないことはきちんと聞く、一度聞いたらきちんと憶えるように努力する、と言うのが当たり前だと思うのだが。
バンビちゃんはわからないことはすぐ聞いてくる。でも、もう入社して半年も過ぎ、そろそろ自分で物事を考えないといけない時期だと思うのだが、とりあえず人に頼ろうとする他力本願な姿勢は、見ていてあまり気持ちのいいものではない。
失敗して素直に謝るのはいいことだと思うが、なんでもかんでも「すみませんでした」と言えば済むと思っているのなら大間違いで、次回に活かす姿勢が見られない。
一度教えたことも、ついうっかり忘れた、くらいなら忘れっぽいんだなぁ、しっかりがんばろうね、とこちらも温かく見守れるのだが、
「はじめて聞きました!」
などとのたまわれては、教えているこちらがバカみたいで情けない。
挙句の果てに、
「私のいいところってどこですか?」
聞かれた方が返答に困る質問を真顔でするのは人としてどうなの?
これは若さゆえなのか、彼女独特のものなのか、周りにいる人間はその無邪気さゆえの毒気にすっかりやられてしまっている。
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