以前オレオレ詐欺に引っかかり、お金を騙し取られた同僚のYさんに、電話がかかってきた。
「横浜の鉄道警察ですが、お宅のご主人が電車で痴漢行為をはたらきまして・・・」
びっくりしたYさんは、
「主人に代わってください!」
と言い、
「わかりました、お待ちください」
先方はそう言い、そのまま電話は切れてしまった。
もしかして、自分と話すのが恥ずかしくて、慌てて切ってしまったのかも、と思ったYさんは、動揺しながら何とか鉄道警察の電話番号を調べ、電話をした。
「そちらにうちの主人おりますでしょうか?」
当然のごとく、
「いえ、そんな方はこちらにはいらっしゃいませんよ。奥さん、もしかしたら、それって」
そこまで言われて初めて、Yさんは正気に戻ったらしい。
一度ならず二度までも騙されるところだったYさんだが、だんなさんにその話をしたら、だんなさんの周りでも何人か同じように電話がかかってきており、しかも、中には200万も騙し取られた人までいるらしい。
帰宅後、新聞を何気なく読んでいたら、「痴漢示談金振り込め詐欺、都内で急増中(日本経済新聞)」などと出ており、Yさんはまさに流行の最先端であったことが判明した。
全く次から次へと悪いことを考える人が出て来るものだが、いわゆる「騙されやすい人リスト」なるものが存在しているらしい。
一度でもそう言ったものと関わってしまった人の情報が流されており、例えば、催眠商法のような所で、高額な健康食品を買ったことがある人のところには、そう言ったたぐいのDMやら、勧誘電話やらが来るようになる。
そう言った電話がかかってこないのはありがたいことだが、それはあたしが騙せそうもない、と言う理由からなのか、我が家に金がないからなのか、あまり深く考えないことにしよう。
あたしのマイは非通知です。