心配していた学校生活も1週間を何とか無事に過ごすことができ、ほっとしたのもつかの間。今週からお迎えなしで自力で学校から帰ってくる。
決められた通学路を同じ方向の子達と一緒に帰ってくるのだ。
我が家は学校から徒歩5分ほどのところにある。どんなにゆっくり歩いても10分とはかからない距離なのだ。
ただ、1ヶ所、見通しの悪い地点さえ渡ることができればあとはなんてことはない通学路なのだが、ひとりで家まで帰ってくるなんて言うのは皆無に等しい我が息子のこと、アマアマな母親であるあたしは心配でならない。
心配な親御さんはお迎えに来てもいいですよ、と言うことだったので、一応念のため、おばばに途中まで様子を見に行ってもらうようにお願いして仕事に行った。
仕事を終え、ゆっくりと歩いて帰り、疲れてぼーっと夕飯を食べていたら、おばばが
「今日は、なんだか春の風に誘われてゆうくんお散歩に行っちゃったみたいなのよ」
と訳のわからないことを言う。
「は?」
疲れきって思考能力も低下しているときに何を言っているのだ、と話を聞いてみたところ、一応下校時刻よりちょっと早めに家を出て、息子のお迎えに行ってくれたのだが、肝心の息子がいつまでたってもやってこない。何人かの子ども達が帰っていき、それらしい子ども達の姿が見えなくなっても息子の姿は見えず、どうしたのだろうと、昇降口のあたりなど探してみたが、どこにも見当たらない。
そうこうしているうちにどこかで入れ違いになっても、と、とりあえず家に帰ることにしたら、ヨーコママとすれ違ったという。
「ゆうくん下のほうにいましたよ」
教えられて行ってみると、息子が鼻歌を歌いながら通学路とはまるっきり反対方向から歩いてきたという。
なんでそんな方からやってきたのだろう、と息子を連れ、もう一度学校に戻り、学校から息子が歩いてきたという道を案内してもらうと、通学路とはまるっきり正反対の門(子どもが通う小学校には門が3つあります)から出て、バス通りを渡り、延々と坂道を下り、裏通りを通り、もう一度バス通りを渡り、ヨーコママとすれ違った道にまで戻ってきたらしい。その距離、大人の足にして、徒歩30分近く。
今まで通ったこともないような道まで通ってきたらしい。
疲労と驚きのあまり、気を失いそうになったものの、とりあえず、息子に事情を聞くと、帰りの会が終わって、先生がなにやら説明をしたらしいのだが、よく意味が分からず、分からないままにさようなら、と言うことになって、どこからどうやって帰れば良いのかわからず、近くにいた友達にくっついて帰ってきてしまったということらしい。しかもその友達とも途中で別れ、そこからはひとりでぶらぶらと歩いてきたらしい。
ヨーコママに電話をし、ことの成り行きを話すと、
「なんか楽しそうに歩いてたよ。お天気も良かったし、ちょっと冒険してみたかったんじゃない?」
やれやれ・・・。
娘の時はそんな心配はなかったのに、やっぱりやってくれるなあ・・・と脱力。
何はともあれ無事に帰り着くことができたからよかったものの、途中迷子になったり、事故に遭ったり、人さらいにでもあったりしたら、と思うとぞっとした。
今回はおばばも、本人にきつく言い聞かせ、通学路の説明をし、明日も心配だから迎えに行こうか、と言ってくれたのだが、本人がやる気満々なもので、とりあえず、先生にひとことお手紙を書くことにした。
息子も自分でどうやって帰るのか、学校からの地図を描き、
「こうやって帰ればいいんだよね?」
と念を押しているくらいだから大丈夫だとは思うけど、やっぱり心配でたまらず。
明日は仕事が手につかないかも。
あたしのマイは非通知です。