たまに××したり。
INDEXこれまで。それから。


2004年03月24日(水) ユタカ君。

もう新入社員も入ってくるという時期、入社して1年になるユタカ君。
みんなから散々出来が悪いだの、バカだの言われていたみぽりんでさえ、1年も経つころには要領よく仕事をこなし、安心して仕事を任せることも出来たし、逆に何かあったときには頼りになる存在にもなっていた。
それと比べ、どうにもこうにも、ユタカ君。
何がどう間違っているのか分からないのだけど、とにかく仕事が遅い。
バイトの子達にまで

「ユタカさんは何やってるのか分かりませんよ、いったいどこでなにをしてるんですか?どうしたらこんなに時間かかるんですか?」

と言われてしまうほど。

昨日はまた、大きな売り場替えがあり、当日休みのマネージャーが前日に指示を出し、この時間までには作業が終わるように、とスケジュールも組み、

「明日はユタカひとりでやらせていいから。うららさんはいっさい手を出さないでくださいね」

と言い残されていた。
本来なら、あたしの担当する商品の売り場替えなので、什器の移動など大掛かりな作業はやってもらい、あとの商品の陳列などはあたしがやるべき仕事なのだが、今回はいっさい手を出すな、と言われたし、その他のセール準備もあるため、あたしはそちらの作業に当たる。
あたしの中でのイメージで、ユタカ君が売り場作りを完成させるのには、マネージャーの組んだスケジュールであたしが休憩に行く前には充分出来上がっていると思われた。
ところが、である。あたしが休憩に行く時間になっても、売り場はほとんど出来ていない。それに加え、

「うららさん、今の作業あとどれくらいで終わりそう?」

と何度も聞いてくる。
あたしをあてにしているのだ。
本当はムキになって作業すれば何とか終わりそうな所だが、ここはユタカ君のためにも、と、

「いつ終わるか分かりません」

と答えた。
すると案の定ユタカ君は

「え〜っ・・・」

と絶句する。
そんな彼を尻目に休憩に向かい、いくらなんでももう終わっているだろうと、1時間の休憩時間を終え売り場に戻ると・・・。
1時間前と何ら変わらない売り場に、あたしが絶句した。

通常セール準備はどんなに大掛かりでも午後3時くらいにはめどがつくものだ。それが、今回は5時になってもほとんど終わっていない。ユタカ君が作業している部分だけ大幅に遅れているのだ。
もし同じ作業をあたしひとりでやったとしても、遅くとも3時には終わっているはずだ。

手を抜いているわけではない、むしろ一生懸命やっているように思われるのだが、どうしてこうも仕事が遅いのだろう。
これにはK嬢も切れ、

「あんな仕事振りで自分よりいい給料もらってると思うと腹が立たない?」

とまで言い出す始末。
フォローのしようもなく、遅れを取り戻すべく、作業を手伝うことに。
その間、ユタカ君は他のセール準備に取り掛かり始める。
本来なら、あたしは手出しできないのに、と思いつつも、どうにも遅れすぎている分がんばらねばならない。もう8時を回っているのに、商品の陳列すらままならない状況なのだ。

途中、見かねたK嬢がユタカ君に説教し、ユタカ君は自分の作業を中断し戻ってきた。

「迷惑かけてすみません」

謝られたけど、何も返す気力もなく。

どうしたら要領よく仕事ができるようになるのか、させることができるのか、あたしは考えあぐねている。

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