あたしは自己中。超ナルシスト。自分が大好き、自己愛の人だ。
結婚しても、子どもを産んでも、それだけは変わらない。
子どものために命を捨てられるかって言われても、即答いたしかねます。自分が一番大事だからって言うのはあるけども、自分が生き残らなければ子どもを守ることはできないじゃないですか。
なんてことを言うと夫は苦笑する。苦笑、といってもやれやれ、といった意味合いではなく、多分あきれ果てての苦笑なのだと思う。
そんなあたしに、先日息子がこんなことを言った。
「ねえ、ママ、ゆうが自分の命よりも大切なものってなんだと思う?」
何の脈略もなくいきなりの質問で、しかも命と来たもんだから、びっくりしてしまい、困惑したあたしは答えにつまった。
「うーん・・・なんだろう?わかんないなあ・・・」
すると息子は
「あのね、ゆうが命よりも大事なものはね、ママだよ」
今まで生きてきてそんなことを人から言われたのは初めてで、しかもそれがまだ6歳の息子の口から発せられた言葉なのですから、あたしの動揺はかなりのものだった。
「ママの次はね、ゆうの命。その次はパパ。その次はあーちゃんとばあば」
なんで突然そんなことを言い出したのか分からない。こちらが受け取るほどに深い意味はないのかもしれない。それでも、ふざけていっているのではないし、彼なりの愛情表現なのだろう。
それでもいつかは他の誰かを愛するようになり、幼い日のそんな言葉など忘れてしまうのだろう。
あたしのそんな気持ちを見透かしたかのように、
「きっとね、大人になっても変わらないと思うよ。ママが一番大事」
そんなことを言う息子がたまらなくいとおしく、しっかりと抱きしめた。
そして反面、自分が一番大事、なんていってしまう自分を少しだけ恥じた。
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