朝の7時20分。幼稚園のお弁当を作り、なかなか起きない娘と夫を起こし、洗濯物を振り分け、自分の身支度も調える、そんな一番忙しい時間に、電話が鳴る。
「はい?もしもし?」
慌てて電話に出る。頭の中では、こんな時間に誰だよ、と言う思い、実家で何かあったかな、おばばの友達にでも不幸が?イヤ、学校の緊急連絡網かも知れん、といろんなことが駆け巡る。
「あ、もしもし、Sですー」
同じバス停のミキちゃんのママだった。ミキちゃんは以前息子と一緒に
スイカ泥棒をした子だ。こんな時間から電話なんて、一体なんだろう、幼稚園のことで何か急ぎの用事だろうか?と思っていると
「ゴメンねー、こんな時間に。昨日の帰りのことなんだけど、ちょっとママの耳に入れておいた方がいいかと思って・・・」
ミキちゃんのママ。この人は前々からあたしが子どもをきちんと育てていないとでもいいたげに、何かというと「ママが働いていていないからかわいそう」を連発する人だ。はっきり言ってあたしはこの人が苦手。というよりは嫌いに入る。
そんな彼女から、こんな時間に一体何の話があるというのだろう、と思っていると
「実はね、昨日帰ってきた後バス停でうちの子とゆうくんがしばらく遊んでたのね、
そのときにゆうくんが投げた石がうちの子の顔に当たってー・・・あ、怪我はしてないの、ちょっと赤くなったくらいで。だけどそのときにゆうくんの言い分何も聞かないで『こんなことしちゃダメだよ』って一方的に怒っちゃったから、実際にゆうくんが投げたとこを見たわけでもなかったし、ゆうくんに悪かったかなあと思って」
息子がやったことは悪かったのは認めるし、怒ったのも問題ないと思う。
だけど、それを何で翌朝のくそ忙しい時間に電話してくるのか、あたしにはその方が理解できない。
それを聞いて、息子に注意するにしても、朝っぱらから出がけにそんなこと言われて嬉しいはずもなかろうと思わないのだろうか?
夫に電話の内容を話すと
「つまりは自分の子がやられたってことを報告したかったんだろ?」
「だからってこんな時間にかけてこなくたっていいじゃん。学校行く準備してる時間だよ?忙しいじゃん」
「自分のところは行ってないから関係ないんだろ」
ミキちゃんのお姉ちゃんは登校拒否しているのだ。
「子ども達は明るくていい子だと思うけど、登校拒否してるのだって結局はあれだろ?親がいけないんだと思うよ」
当事者でなければ分からない事情も多々あるのだろうと思う。
それでも、彼女の考え方はあたしはどうしても首を傾げてしまう部分が多いのだ。
あたしのマイは非通知です。