たまに××したり。
INDEXこれまで。それから。


2003年03月08日(土) ザレゴト。

例えば、感情の赴くままに自分の思いを伝えてしまうことがある。
言わなければいいのに、と言うようなことまで、だ。
言わなければいい、と言うよりも、むしろ言う必要はないよな、と言うようなこと。言ったからと言ってどうなることでもなく、ただ言ったと言う事実が残るだけ、と言うようなこと。
言われたほうにとっては、何の意味もなさなかったり、言われた所で、じゃあ、一体どうしろと?と言うようなことだったり。

中学のとき、とても仲のいい友達がいて、何かと言うとその子のことをからかっては、
「あんたバカじゃないの?」
と言うのが口癖になっていた。
あたしからしたら、ふざけている、と言うつもりだったのだけど、言われてるほうにしたら、バカバカ、と言われつづけているうちに、段々と不愉快になっていったのだろう。
ある時、いつものようにからかってふざけていたら、
「バカバカっていつも言うけど、確かにうららは頭がいいかもしれない、だけどバカって言われる方の身になってみなよ!」
と激しく責められ、その子とはそれっきりになってしまった。
思い出すたびに苦い思いでいっぱいになる思い出だ。
ちょうどその頃、あたしはそれなりに成績がよくて、ちょっとばかり調子に乗っていたことも確かだ。そんなに深い意味はなくても、彼女に対してある種の優越感が全くなかったと言えばウソになる。
何気ない一言でも、人に不快感を与えることはあるのだ。無意識にせよ、自分の中で相手に対する何らかの差別感や、偏見があるのならなおさらだ。

それ以来、あまり人と話すのが得意ではなくなってしまった。
自分の何気ないひとことが、相手にとってはどう受け取られてしまうんだろう、そう思うと怖くて怖くて、つまらない雑談でも、頭の中でいちいち言葉を選んで、シミュレーションしてからでないと話せない。
当然、会話にはついていけない。おとなしくうなずいているのが精一杯になってしまった。
だから中学3年間のあたしは、今とは全くの別人だ。
思い出してもいやになるくらい、自意識の固まりで、人からどう思われるか、人がどう思うかばかりを気にしていた。
高校生になって、ある程度自分と言うものが確立されてきてからは良くも悪くもマイペースで過ごしてきている。
だけどその、マイペースである、と言うことに気が付いたのは、驚くことに、ここ数年のことだ。それまでは何で周りの人と合わないんだろう、と思ってばかりだった。自分が合わせていなかったのにね。

今ならある程度、人間関係もこなしてきたし、それなりに、言っていいこと悪いことの区別はつくつもりだ。
それでも、時折あの、中学の時の痛い経験がよみがえって来て、あたしを異常に無口にさせる。
言葉は時として刃物よりも深くキズをつけるのを、身をもって知ってしまったからだ。




一体いつになったら、私はきちんとした言葉を発することができるようになるんだろう。
一体いつになったら、私はバカではないと言ってもらえるようになるんだろう。

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うらら |あばら家足跡恋文

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