たまに××したり。
INDEXこれまで。それから。


2002年07月08日(月) 見えないものを見る。

巷はボーナスで潤ってるのでしょうか?ここのところすごく混んでます。ついうっかり甘く見て発注をいつも通りにしていたら、子どものサンダルが品切れ続出。売り場がらんとして、嬉しいけど、困っています。
ボーナスなんてもう縁がなくなってから、一体どれくらい経つのでしょう。一応、サラリーマンなのにね。やれやれ、と身の不運を嘆いても致し方ない。毎日人様の金勘定に明け暮れ、少々厭世観漂ってまいりました。
いいのさいいのさ、あたしもカード会員募集キャンペーンで、インセンティブもらったもんね。1000円だけど。(涙)



昨日のこと、目の不自由なお客様がご来店された。いろいろと買いたいものがあると言うことで、まずは帽子と、ウォーターシューズをご案内。
初めての経験で、正直緊張の極致。見えないものを、いかに具体的にイメージしてもらえるか、と言うのはとても難しいことだ。
売り場を手をとりながらご案内して、一つ一つの商品を手にとっていただき、
素材、形状、色などを説明していく。説明する最中、どうしても身振り、手振りがついてしまうが、それは当然何の意味もなさなくて、自分の言葉による表現力のなさにむなしくなる。

見えないことで、どれだけの情報がその指先から伝達されるのだろうか。指先でたどるだけで、大体の形状を把握される様は私から見たら驚きだ。
普段、見えているのがあたりまえな生活をしていると、多分かなり視覚からの情報と言うのを頼りにしているのだろう。例えば、明るい昼間には気付かなかった花の存在を、夜にその香りで気が付くことがある。昼にはあまり感じなかった花の香りが夜になると感じられるのは、視覚から来る情報が限られることで、嗅覚が敏感になるからなのだろう。

見えないものを見ようとするときには研ぎ澄ませた感覚が必要になる。
見えないものを相手に伝えようとするときにはありとあらゆる言葉を尽くさなければ伝わらない。
そう考えると、言葉によるコミュニケーションの基本に立ち返るようで、とても貴重な経験をさせていただきました。

結局、途中で違う売り場にご案内したので、そのあと何か買われたのかどうか、まではわからないんですが、始終楽しそうにされていたのが印象的でした。
「いろいろあって、迷っちゃうわねえ」
笑顔でそう言われ、買い物を楽しんでる、と言った風情に、もしかしたら、買い物そのものよりもコミュニケーションそのものを楽しまれているのではないだろうか、と思えたり。
買っても買わなくても楽しんでもらえたなら、接客したほうとしては本望です。







にしても、我ながら自分のボキャブラリーの少なさには本当に情けなくなりました。まだまだがんばらねば。

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うらら |あばら家足跡恋文

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