たまに××したり。
INDEX|これまで。|それから。
迷子のない日はない、と思う。 売り場でも週に最低でも1人は捕獲する。 迷子にもいろいろなタイプが合って、 ひたすら泣き喚くタイプ。 妙に落ち着き払っているタイプ。 親が来るまでの間、泣くでも話すでもなく、だんまりを決め込むが、 親がきたとたんに泣き出すタイプ、などなど・・・。 もちろん迎え入れる親の態度もいろいろで、 笑い飛ばす親、 いきなりしかりつける親、 本当に心配だったという風にほっとした顔を見せる親、などなど、 その子どもの性格やら、家庭の様が顕著に現れるひとこまである。
本日2組の迷子。 一組目。 やたらとしっかりしていて、自分の名前も年もはっきりといえる6歳男子。 「おばあちゃんはね、お母さんのこと、『あっこさん』って呼ぶんだよ」 とか聞いてもいないことまでぺらぺらとしゃべるくらいなら、
自分が迷子になるな。
で、迷子放送入れ、しばらくして母親登場。 しかし、ご対面したというのに、全く安心した表情が見られない。 どうしたのか、と思ったら、
「下の子がいないんです」
マジかよ。 子ども二人、迷子にしたのかよ。
で、どうやら隣の売り場のほうにいたらしいという情報を得て、 子ども連れて足早に去る。 が、入れ違いに、隣の売り場の人が、女の子連れて現れる。 「あれ?今お母さんこっちにいるって聞いたんですけど?」 どうやら散々探し回ったらしい。 すぐに戻ってきた母親が開口一番。
「あんたたちなんでちゃんとついてこないのよ」
てか、おまえがちゃんと連れて歩け。
やれやれ、と思ったら、今度は泣き叫ぶ子どもの声が売り場に響く。 幼いきょうだいの二人連れ。 売り場中に響く泣き声に周囲の人がみな振り返る。 「おねえちゃんいたいよ〜!やめてよお〜!おかあさんのところにつれていってよお〜!」 と泣き喚く弟を引きずる姉。 その引きずり方も尋常ではない。 服の襟元を引っ張り、弟の首をつってしまってる。 無理やり引きずりまわすものだから、弟は転び、余計に泣き喚く。 痛いものだから、座り込んで泣くのを、腕を引っ張ってみたり、 しまいには髪の毛をつかんで引っ張り始めた。 あんまりひどいので、仕方なく声をかける。 「どうしたの?おかあさんは?」 「いなくなった」 そう答えた女の子の顔を見て、正直ぎょっとした。 あまりにも無表情で、迷子になったということとは無関係に放心状態に見えたから。 見た目にもずいぶんとやせ細っていて、目ばかりが目立つ。 ふと弟のほうを見ると、対照的によく太っていて、 そのアンバランスさも何かとても違和感を感じた。 それはそれとして、気を取り直し、 「そうかあ・・・お母さんいなくなっちゃったのか、 じゃあ呼んであげるから、こっちにおいで。 でも髪の毛そんな風に引っ張ったら、痛いよ。やめようね?」 というと、こくん、とうなずき、弟から手を離した。 迷子放送をしようとしているところに、母親が現れた。 ごくごく普通のどこにでもいるようなやさしそうな母親で、 「あらあ、ここにいたのお?おかあさんすぐそこにいたのに」 と、温かく迎えていたけれど、 すぐそこにいたのなら、 あれだけの大きな声で泣き喚く自分の息子の声が聞こえないはずはない。 同じ母親として、信用できない匂いを感じてしまった。 願わくばそれがあたしの思い違いであることを祈るけれども。
ちなみにうちは迷子放送過去に一回のみです。 お互い目の前にいるのにも関わらず、全く気付かず、 店内の人に先に捕獲されてしまったためです。
あたしのマイは非通知です。
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