日々雑感
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2005年02月19日(土)

朝から雨。部屋の中にいると寒いので(何といっても息が白い)、いつものように近所の喫茶店に出かける。

斜向かいの席には小さな女の子と若いお母さんがいて、一冊の本をふたりしてのぞきこみながら熱心に話している。「わがまま度40パーセントだって。ママと同じ」。どうやら、心理テストらしい。「あんまりわがままじゃないんだねえ」。共にわがまま度40パーセントの母娘、お父さんのわがまま度が気になるところ。

どこかで見かけた一枚の写真がずっと気にかかっている。冬枯れの木。透けて見える青空。風の音がする。雲が流れる。その空気の匂いまで知っている気がする。実際に見たのか、自分で作り上げた偽の記憶なのかはわからないけれども、いつかのどこかの風景に確かにつながっている。まだ寒いけれども、春も決して遠くはないと感じられる頃だ。そんなふうに、ほんとうなのか嘘なのか、境界が曖昧な風景の記憶を、どんな人もたくさん持っているのではないか。そして、そうした風景は、なぜかどれもなつかしい。

雪どけの下からあらわれる、黒々とした土をふんで歩きたい。無性に木に触りたくなるときがある。


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