日々雑感
DiaryINDEX|back|next
朝から雨。部屋の中にいて雨の音を聞いていると、ずいぶん前のことを不意に思い出したり、これから先のことを考えてぼんやりと不安になったり、忙しい。
中学から高校あたり、熱心に海外文通をした時期があった。どんな話をしていたのかもう思い出せないけれども、おぼえたての英語を使って、遠い場所にいる誰かと言葉を交わせるということが、とにかくうれしかったのだろう。西ドイツ、チェコスロバキア、ユーゴスラビア、フィンランド、ギリシャ。だんだんと手紙の間隔がまばらになり、やがて途絶えてしまった人ばかりだけれども、それから程なくして、ドイツはひとつになり、チェコとスロバキアは分離し、ユーゴスラビアは解体した。改めて、なんという十数年だったのかと思う。それぞれの国が激しく揺れ動いていた時期、彼らはいったいどんなふうに過ごしていただろう。
それにしても、節操なくいろんなことに興味をひかれているようで、根っこは全然変わっていないのだと、しみじみ思う。ずっと言葉と遠い国のことばかり考えてきた。
夜になっても雨の音は止まず。雪に変わるだろうか。コタツで足元は温かいけれども、部屋の中で吐く息は白い。
|