日々雑感
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週末、プラハへ。いつかきっと行ってみたいと、ずっと思い続けていた場所がふたつあった。ひとつがペルー、もうひとつがプラハ。ホテルの部屋にて電気を消した瞬間に、そのことを思い出した。
この街には教会が多い。日曜日、地図を見ても迷うような狭い路地を歩きながら、オルガンの音が聞こえてくるたびに、その教会へと入ってみた。ここに住む人たちや通りがかりの人たちが次々とやって来ては、祭壇に向けて十字を切り、ひざまづき、司祭の祈りの声に唱和する。ろうそくの灯りが揺れる。
そんなふうにして、ある教会のミサを入り口のすぐそばの隅で聞いていた。オルガンに合わせて賛美歌をうたったあと、白い僧服をまとった司祭さまが、ひとりひとりに何か声をかけながら握手をしてゆく。その光景を遠くから眺めていたところ、司祭さまがこちらへ向かって歩いてきた。そして、手を差し出し、握手をし、目を見つめて静かに微笑んでくださったのだ。
自分が受け入れられていると感じる、あの手の温かさこそが、あらゆる宗教の根っこにあるものではないのか。私たちが欲しいものではないのか。
夜の九時を過ぎて、ようやく暗くなってきたカレル橋の上を歩いた。昼間は街頭演奏をしたり、絵を売ったりする人びとや、何より観光客でぎっしりだった橋の上も、この時間帯となると喧騒が消える。暗がりに浮かび上がるプラハ城の上に一番星を見つけた。
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