日々雑感
DiaryINDEXbacknext


2002年12月13日(金) 光を売る店

日暮里から新大久保まで歩く。東京横断。

西の方へと向かう道沿いには古い店が並ぶ。鰻屋、雑貨屋、白っぽい蛍光灯の中の和菓子屋、どこに何があるか棚の隅々まで全部わかっているような小さな本屋(小さい頃、立ち読みしていた近所の本屋と似ている)。時計店のくもったガラスの向こうには、針が止まったままの腕時計がまばらに置かれている。

歩き始めた頃はまだ明るかったけれども、だんだん日が暮れてくる。今日も寒い。背を丸め、襟巻きにしっかり顔をうずめたまま、洗面器を抱えて銭湯へと向かうおじいさんとすれ違う。

道沿いに灯りがともってゆく。そんな中、ひときわ明るい店がある。のぞくと、狭い店内いっぱいに色とりどりの電飾やチカチカとまたたく看板。ネオンの専門店らしい。光を売る店だ。

夜、新大久保のスタジオにて、いつも参加しているアルゼンチン舞踏団と先日から遊びに行っているブルガリア舞踏団の初顔合わせ。ステップの踏み方やリズムなど全然違うはずなのに、すぐに身体が反応し、しっかりと踊ってしまうのに感心、感動。思いがけないところから、あるいは、ちょっとした偶然の積み重なりから、音楽や、踊りや、いろいろな「何か」を介して人と人がつながってゆく。面白く、嬉しく、素晴らしいことだなあと、踊る面々を見ながら、しみじみ思う。


ブリラン |MAILHomePage