日々雑感
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| 2002年09月18日(水) |
<語り>と<問いかけ> |
秋晴れ。非常に快適。
外では、大家さん夫妻が庭仕事をしている。雨がつづいていたので作業も久々らしい。「ほら、ここに青虫いるよ」「青虫じゃなくて芋虫でしょ」「いや、これは青虫」。青虫と芋虫の違いは何だろうと思いながら、自分は布団干し。
古本屋で『猿を探しに』柴田元幸(新書館)を買う。エッセイ集。この人の翻訳はまだ読んだことがないのだが、エッセイは好きだ。中に、三浦雅士氏の著作をひきつつ<問いかけの思考形式>と<語りの思考形式>について書かれた一編がある(エッセイの中で柴田さんは「我田引水」と言っているが、ならばこの日記は何と言えばよいのだろう?)
柴田さんの解釈に従えば、<問いかけの思考形式>とは「対象について問いを立てる思考形式」であり、<語りの思考形式>とは「対象を受け入れる思考形式」。つまり、「<問いかけ>は批判する思考形式であり、<語り>は没頭する思考形式」。そして、自分が「大学教師として論文指導が下手で、にもかかわらず翻訳はけっこう得意」なのは、対象から引いて読むことができず、入り込んで、同調してしまう<語りの思考形式>に圧倒的に傾いているからだと言う。なぜなら、翻訳で大事なのは、自己の人格を放棄し、身体的に同調し、対象に入っていくことであるから。
自分も完全に<語り>寄りだ。「読む」ときには全然客観的になれない。わかってはいたけれども、こんなふうに用語を与えられると、何かすっきりする。
夜、テレビで欧州CL、フェイエノールト対ユベントス観戦。またも夜更かし。サッカーを熱心に観ていると慢性寝不足状態。
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