日々雑感
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東京に戻る日。朝一番の汽車に乗る。
汽車は鉄橋をわたる。実家のある町と隣町とは海へと注ぐ水路でへだてられており、二本の大きな橋がそこをつないでいる。いつも汽車や車で橋をわたりながら「ああ、帰ってきた」と思う。そして、同じように橋をわたりながら今度はいつもの日常へと戻ってゆくのだ。境界線を越え、二つの世界をつなぐ橋。
新幹線は進む。仙台まで来ると、景色のあちこちが桜の白色でぼうっとかすんでいる。宮城、福島はちょうど花盛り。雪をいただいた山々と青空を背景に、桜、桃、菜の花などがいっせいに咲いている。宮澤賢治の言葉を借りれば「せいせいする」ような眺めだ。
電車に乗って、景色が次々と変わってゆく様子を眺めているのは楽しい。桜前線の境界を確認しつつ、東京へ。もうすっかり葉桜で、木々の緑がはっとするほど鮮やか。
午後からは横浜・元町でバイト先の人々と食事。よく晴れているせいか、人出も多い。食事のあと、みんなで「港の見える丘公園」まで歩く。太平洋を眺めながら、今朝後にしてきた海を思う。またここで、今日から始まるのだ。
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