日々雑感
DiaryINDEXbacknext


2002年03月25日(月) 東京のリズム

高校生の従姉妹が上京。上野駅まで迎えに行く。新幹線に乗るのも初めてということで、緊張した顔をしてホームに降りてくる。

いっしょに東京の街を歩きながら、自分自身が東京に出てきたばかりの頃の視線を思い出す。「東京だとみんな歩くの速いね。何か急がなきゃいけないような気がしてせかせかしてしまう。」以前はやっぱりそう感じていたはずなのに、その自分自身が今はいちばんせかせか歩いている。街のリズムというものがあって、住んでいるうちに沁みこんでしまうのだろうか。

もうひとつ。部屋に入っても従姉妹は鍵をかけない。入ったと同時に鍵をかけるのが無意識の習慣になっているけれども、確かに地元では留守にするときでさえめったに鍵をかけないのだ。いろんなものがあるはずなのに、自分たちのやっていることしか見えていない。気づかないうちに、眼差しが狭まったり固まったりしているのかもしれないと思う。

夕方、ビルの最上階の展望台にのぼってみる。ちょうど夕日が沈もうとしているところ。すじ雲がたなびいて、向こうにはうっすらと山並が広がる。線香花火の終わりにできる火の玉のような、まんまるの夕日。ぽとりと落ちるのではなく、にじんで、しぼんで、ゆっくりと消えていった。


ブリラン |MAILHomePage