日々雑感
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2002年03月08日(金) 自転車に乗って

夜、通りを歩いていたら、後ろから自転車が走ってきた。若い男の子だ。ひとり大きな声で歌っている。「からまるタコの足〜」という部分が耳に入って、どこかで聞いたことあるなあと思ったら、スピッツの「さわってかわって」。大声でスピッツを歌いながら、全力疾走の自転車は消えていった。

自転車に乗りながら大きな声で歌うのは確かに気持ちがいい。中学校の頃は田んぼの中の一本道を自転車で通学していたので、帰り道などよく大声で歌った。何人かで帰っても、それぞれ好きな曲を歌うのだ。耳元をびゅんびゅんと過ぎる風の音と自分の歌声だけが聞こえる。そのときの気分によって出てくる歌は違ったけれど、何を歌っていたのか、今はよく思い出せない。

あの自転車の男の子、なぜ「さわってかわって」だったのだろうと考えつつ、夜道を歩く。自分でも小さい声で歌ってみて、サビの部分ではっとする。

さわって かわって 愛も花もない夜を越えて
さわって かわって 春が忍び寄ってくる心地

たしかに、春が忍び寄ってくる心地のする夜。なるほど、と納得しつつ家路につく。




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