過失軽薄日記
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管理人は現在杭州にいますが、どこにいようとうすらオタク気味です。 2008年頭に帰国予定。大陸に至った経緯は2006年3月22日あたりをご覧ください。

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2003年07月12日(土)/(略)(補足)/蒼き狼

前回は、スブタイたんがジェベを好きであろうことについてあれこれ書きましたが、ジェベやスブタイ関係にあれだけ字数を費やしている当日記を見た方が、むしろお前がスブタイとジェベを好き過ぎなのではないかとご指摘になりたい気持ちはよく分かります。勝手に分かってみました。ええとても好きですよ。でも私としましては、使用する演算子は+とか&ですでにもう十分すぎるくらいなのです。乗算や除算方面は、私にはちょっと御することがかないませんので他の方に委ねたい所存です。委ねられた方の身にもなれという感じ。
そのようなわけで、不幸なことに私にとても好かれてしまっているジェベですが、実は、ジェベというのはチンギス・ハーンにつけられたあだ名であり本名は別にあるのです。本日はこのあだ名について語りたいと思います。

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気になる点:あだ名問題
「蒼き狼」では、ジェベが投降してきたおり、チンギスさんは、彼の名前(本名)を聞きもしないでいきなりあだ名をつけていたので、とても不思議に思いました。ジェベ本人も黙っておとなしくあだ名をつけられ、以後ずっとその名で呼ばれていたので、とうとう作中では彼の本名すら分からない始末。あだ名をつけるにしても、とりあえず名前くらい聞いてからでもちっとも遅くはないと思うのですが。また、耶律楚材が投降してきた時は、「前にも投降してきた奴にジェベというあだ名をつけたし、お前はウト・サカル(長いひげ)だ」とか言ってハーンはまたもあだ名をつけていらっしゃいます。おまけに今度は、立派に名前があるのにもかかわらずです。被あだ名者であるこの両名に共通するのは、敵対勢力からの投降者であるということの他に、ハーンに大層気に入られたという点です。どうやら成吉思汗は気に入った人にはあだ名をつけてしまうという習性でもあるのでしょうか。
彼らの場合、つけられたあだ名に不満はないようだったので、まあ幸運な例といえますが、これで意に染まぬおかしな名を強引につけられて、以後そのように呼ばれ続ける羽目に陥ってしまったらどうしたらいいのだろう。文句を言おうにも相手は世界帝国の支配者なので一苦労です。余計なお世話ですか。

そんなわけで、目下注目(私限定)のあだ名問題ですが、陳舜臣氏著の「耶律楚材」という小説でも耶律楚材がチンギスハーンに気に入られてあだ名をつけられております。(こちらの本でのあだ名表記は「ウルツサハリ」)この本によると、なんでもモンゴルの人は、人に敬意を表したいときには、名前呼び捨てを避けるためにあだ名をつける習慣があったそうなのです。なるほど。しかし、だからといって、うっかり変なあだ名をつけてしまったらまずいことになるという問題が解決したわけではありません。いやどうしようもないですが。
「ウルツサハリ」にしても、ふとしたきっかけで楚材自身がもうひげなんかやめたいと思ったりした時などには非常に困るのではないでしょうか。まあ、あまりそういう事態にはならなかったようですが。あだ名をつけるのも一苦労ですね。余計なお世話ですか。

ところでその後、「元朝秘史」を見てみたらジェベには「ヂルゴアダイ」という名があったことが判明。何やら微妙な感じのする語感なのはさておいて、やっぱりちゃんと名前があるではないですか。あだ名命名の場面では彼に名を尋ねるくだりは省略されたのでしょうか。「蒼き狼」を読んだ限りでは、チンギスさんが人の名前を聞きもしないで、自分で考えた名前をつけてしまう人のように見えてしまうので少々愉快です。むしろ、この際なので、そういう設定として有効利用させていただこうと思うのですがよろしいですか? 設定?

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関連本:
耶律楚材 上
耶律楚材 下 共に陳舜臣著 集英社文庫
↑この作品もとても面白いのでお勧めです。

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ヤケパチ |電信家頁

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