2002年02月21日(木)/名前呼びに関する切迫した事情。 |
昔の中国では、いきなり人を名前で呼ぶことは失礼に当たり、親やその人の主君でないと、名前で呼ぶことは出来ません。そのかわりに、字(あざな)というものがあり、普段はもっぱら名前の代わりにこの字を使います。とはいっても、仕事の同僚とか友人とか、けっこう親しい間柄にならないと字で呼んだりはせず、それほどでもない場合には、役職名で呼んだりしたそうです。
例:曹操の場合は、 親→操 /同僚、友人→孟徳 /その他の人→曹丞相 という感じです。
何やら字呼びしているのを見ると、相当仲良し感が漂っている印象を受けます。 名前呼びともまた違った気安い趣というか。いや、敵同志なんかでもガンガン字呼びをしてたりするんですが。場合によっては、かなり仲良しムードが醸し出されてほほえましいです。私だけでしょうか?
それで、無双2の夏侯惇が、曹操のことをさんざん孟徳孟徳呼ぶので困っています。いや別に曹操の親族(いとこ)であり、信頼もあつい仲良しなんだから別に何ら不都合はないはずなのですが何か聞いてる私がむしょうに照れるというかソワソワするのでどうしてくれよう。ていうか、ここで照れたりする自分は何かが腐っているのだろうか。
何しろ、夏侯惇が敵に撃破されて退却するときは「孟徳に会わす顔がない」であり、死ぬときは「すまぬ…孟徳」であり、関羽が曹操の元から去るというので追ってきたときは、「お前を生かしておくと孟徳の災いになる」であり、夏侯惇の頭の中は孟徳のことで一杯の様子です。…ってイカンイカンいけないこんな書き方をしては。 夏侯惇にとって曹操は命を賭して仕えている大切な御主君なのだから、そりゃあ当然第一に考えるべきなのであり、何もまずいことなどありはしないというのに。 でも主君なのに仲良く字呼びなのか。誰だ夏侯惇に「殿」ではなく「孟徳」と 呼ばせようとか考えた人は。どうもこの人を見ていると冷静さが保てず、そんな自分をもてあまします。一体どうしたら。
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