【十一、祷】 晴明が出て行った後の屋敷に、道満が侵入してくる。 留守を任された真葛が応戦するも、晴明が自分の子供にと残し、 封印した秘術の巻物を盗んでいってしまう。
夜行を終え、晴明が無事に戻ってくると、真葛は自分に始末を つけさせて欲しいと、盗られた巻物に自ら朽ち果てることを命令する。 自ら秘術の伝導を無効にした晴明に対し、道満は構おうとはしなかった。
保憲は、射覆での晴明の失態やそれに気分を害した帝が以降、 御帳台に籠り出て来ないことを周囲から責められていた。 晴明に代わり弁明するも、真意が通らず、思いがけずに傷ついていると、 父の賀茂忠行から射覆に召された法師のことを聞きたいと呼び出される。
【十二、不滅】 内裏では、帝が病に伏し、御帳台から出ていない日が続いていた。 登子は、病を治す水を道満が持っていると言い、大変な騒ぎとなったが、 高明は、断じて召すわけにはいかないとし、晴明の身を案じていた。
晴明は博雅のところを訪れ、以前、預かってもらっていた巻物を解き、 都を完成させる秘術について付け加えたことを博雅に話す。 行くべきところが五ヶ所あり、そこへ博雅に行って欲しいと頼む。
都の外では智徳が道満を名乗っており、どちらが水を持っているのか 所在がわからず、また建禮門の件もあるので、 晴明に取りに行かせるのはどうか、という話になっていた。
次に晴明は保憲のところを訪れ、四角祭を行うよう、再度勘申するように頼む。 保憲は、晴明に変若水を受け取りに召されるかもしれないと言う。 これに関われば、何事があってもなくても失脚するだろうと警告する。
晴明は、若狭に変若水を取りに行くことになった。
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