伊坂幸太郎「PK」を読みました。 「PK」「超人」「密使」の三つの中編からなる中編集、 かと思いきや、読み終えてみると互いの話が関連し合って、 一つの長編小説を読み終えたような構成になっています。
テーマの一つはドミノ倒し。どこかの誰かが行ったこと、 あるいは行わなかったことで、後の世界に影響を及ぼす。 風が吹けば桶屋が儲かる的なアレです。
更に勇気とは何か?ヒーローとは何か? といった熱いテーマもベースにあって、 だんだんと話の展開が凄いことになっていきます。 ワールドカップの出場がかかった試合から人類存続の危機まで。
相変わらず、広げた風呂敷を畳むのが上手い!秀逸。 最後に収録されている「密使」を読んでいるうちに、 これまでの疑問点や違和感が一気に解決していくのが気持ちいいです。 ただ、贅沢を言わせてもらえば、もう少し長めの話で、読みたかったかな〜。
普段、あまり気にしないけど、自分のちょっとした行動が どこかの誰かに何かしかの影響を与えているかもしれないわけで。 そう考えると、頑張って生きようと思えてくるなぁ。 伊坂幸太郎が伝えたかったのは、まさにこういうことなのかも。
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