娘が割り振られた部屋には、他に小学生の患者さんが4人。2年生から4年生までの女の子ばかり。
そしてレクリエーション担当の大学生さんも一緒だったので、娘は激しく遊んでもらい続けた2泊3日だった。
カーサン本来なら母親部屋に寝泊りして、ママトークなどするはずだったのだが、小学生部屋に乱入してしまったのでママトークはほとんどパス。
その代わり、夜間に代わる代わる低血糖を起こす女の子たちのケアをするナースさんのお手伝いをしたり、なんというか、入院病棟に泊り込んだかのような時間を過ごした。
カーサンあんまりママトークに興味なかったけど、親同士の交流会という時間を通じて、みんな同じような心配をし、同じような不安を持ち、同じような開き直りをしているんだなあ、と感じてちょっとほっとした。
なにより、まどろっこしい前説明なしに話が通じるから、話が早い。
そして当事者ならではのブラックな話も花開く。
今回初めて会ったO先生というドクターがとてつもなく面白い人で、彼とぶっちゃけトークが出来たのが楽しかった。
そしてカーサンたちが転院して去ってきた病院を、他の患者さんたちも「ちょっとねえ」と言葉を濁しつつ転院している事実を知る。
実際そのドクターもキャンプに短時間来ていたけど、患者に慕われている様子は目にすることはなかった。今の主治医先生が中学生くらいの患者に取り囲まれて「アイス買ってー」などとねだられたり、OBOGの集いの時間に呼び出されたりしていたのと対照的だった。
そもそもこのキャンプの発起人なのにね>前ドクター。経済的に相当援助しているそうなので、なんだか気の毒なほどだった。
小学生や中学生の現役参加者たち、OBOGの患者さんたちをずらっと並べて眺めて、娘の成長を擬似的に見通した気がした。
みな明るく、「嫌なことを言ってくるお馬鹿さんたちはシカトです」と笑い飛ばし、低血糖の経験も笑い話のネタにし。血糖値の予想と実測が近い患者さんを表彰するシーンでは、やんちゃな小学生男子が「おかーちゃん、取ったどーー!」と叫んでニカニカっと笑った。
娘より小さい患者さんは1人だけで、まだ発症して間もなかった。そのママと最終日に少しだけ話し「もっとお話聴きたかったです」と言われて初めて、カーサン自分が「話をして安心させてあげる」側なのだと気付いた。
そうか。そうだったか。自覚が足りなかった。
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