「桃色」とかくと、 あのクレヨンのくっきりしたいろを思い出したりするけど、 花びらの色も実の色も実際には淡い感じなんだよね。
桃の実を食べることができるのには、 未だ半年くらいかかってしまうけれど、 高知などでは、そろそろ桃の花の蕾が脹らみかけているらしい。 いいなあ。
自分のハンドルが示すように櫻が好きだけど、 桃もすきです。花も、実も。
大きくて、瑞々しくって、するすると皮が剥けるのを、 できることなら御上品にお皿に並べるんじゃなくって、 そのままかぶりつきたいなあ。 もしくはアーミーナイフで一切れごと、口に運ぶとか。
何だか桃って、とてもかわいらしいイメージがあるけど、 けっして、上品な食べ方が似合う果物ではない、と思う。
少し熟れ過ぎた桃なんかを、ちょっと戯れに強く持ってしまうと、 桃の蜜で、手を汚してしまう。 桃の香りっていうのは何故か落ちにくい、 自分の存在を主張するかのように。
……なんだか、自分の跡を刻み付けたい女の人みたいな。
桃の花をみて妙にどぎまぎするのは、 未だなんにも知らない振りをするようにみえるのかしら? 半年後には、あんなにも瑞々しい果実になる、 誘うような香りを持つものなのに。
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