恐ろしい職場!とは - 2003年04月25日(金) 派遣先で、たった一度危険を感じたその職場。 催眠(SF)商法会場 でのローン作成でした。 催眠商法とは、格安や無料の日用品を用意して人を集めて 熱狂的な雰囲気を作り出してから、高額商品を販売するというもの。 参照・広報けいしちょう 文章だけみたら騙される方も油断だらけなんですが、 やってきているお客さん、95%がご老人、若い方は皆無。 1日に数回ある、商品宣伝の時間を1時間以上前から毎日並んで待っている。 もちろん、そこに来れば友達と会えるという理由も大きいだろうけど、 「熱に浮かされた」としか言えない異様な雰囲気があるのだ。 流れを簡単に説明すると・・・・・ 開場 スタートまではいつも決まったBGMを流している スタート お買い得品の販売や、プレゼント もちろんその間のトークはびっくりするほど上手くて、 笑わせまくりである 本題 そして高額商品! これをその日にだして売ることは余りない。 何日も宣伝して、売る日を告知して買い手の期待を高めきる。 ちなみに社員は20〜30台前半の男性たち。 礼儀正しく、人懐っこく、愛想がよくて気が利いて。 親身になって話を聞いてくれ、いつも真面目な働き者。 つまりは「理想の息子像」 お年寄りのアイドルです。 朝早くから夜遅くまで働く彼らに届く差し入れ数知れず。 宣伝タイムは私の仕事はないため、裏で聞いているのだけれど ずっと何かに似ている気がしていた。 健康の話題(売っているものはたいてい健康器具や食品) 笑わせる。 司会者(売り手なんですが)は会場の人気者・・・ 思いっきりテレビ だわ。 いや、あの番組は悪徳とは関係ないけどね。 あの番組の受ける理由をぎゅーーーーーっと凝縮している感じ。 入場のBGMは常に同じアップテンポの洋楽 お年寄りにおもねった選曲じゃないのは「非日常」の演出。 毎日同じ曲なのも、決して時間までは開場しないのも 「テレビの中のような非日常感」のなかに入らせるための儀礼。 彼らの決して長くはない宣伝タイムは多分 駆け出しのお笑い芸人のコントなどより ずっと練り上げられている。 みのさんが 「テレホンカードあげちゃおう」 というごとく、 彼らはいろんな物を威勢良く返事する客たちに渡していく。 多分。 お年寄りが欲しいのは本当は物じゃない。 自分が一瞬の主役になって舞台に上がったようなその感覚。 みのさんよりもそばにいるアイドルに、誉められて証拠をもらう。 そんな気持ちがある気がする。 だから当然われもわれもとなってくるのだ。 そして。 残るのは莫大なローンと、 高すぎるアガリスクや健康布団 90も近い女性が、60回のローンを組む。 地味な格好の年金暮らし、といった人たちが ほんの1月ほどの間に、ローンの限度額まで買い物をする。 年金暮らしの老人の限度額とはいえ、バカに出来ない。 人によっては1千万近いのだ。 まして、その会社が上客だから、信販会社も限度は高く設定している。 この悪徳商法から目が覚める日はいつか来る。 でも、それはクーリングオフ期間なんてとっくにすぎて 売りつけたアイドルたちは何処か遠くへいった後。 にこにこ笑うお年寄りの大事そうに持ってきた印鑑を借りて 証書に押す瞬間の辛さは、耐えがたかった。 でも、悲しい性。顔は接客スマイルを崩さない。 ううん。崩せない。 崩したら、不安で一杯の顔になりそうで。 だから、私も老人をだましたという罪悪感は消えない。
|
|