大学教員の日記

2001年10月12日(金)  プロによるCM批評

 子供たちが作った1回目のCM。「宮古以外の人々に、宮古の自慢CMを伝える」ものですから、「外部の人の目による批評」が必要です。
 そこで、次のような仕掛けをしました。

■NHK宮古報道室のS記者を教室に迎え、子供たちが作ったCMを批評してもらう

 S記者は、「宮古以外の人々を中心に宮古地区のことを伝える」という点で子供たちと共通点があります。しかも当然のことながら、その道のプロです。CMの内容面でも、技術面でもいい助言ができると考えてです。

 ただ、S記者が批評をする前にまず自分たちでできることをしようということで、それぞれのCMを見てから意見交流をしました。他のチームから鋭い批評がいくつも出てきました。

 ★1班(浄土ヶ浜)に対して
  ・かんじんの浄土ヶ浜がよく見えない
  ・石碑も見えにくい  ・主人公の表情も見えない
 ★2班(ウニ染め)に対して
  ・田川さんが主人公になっていない
  ・染めているときにアドリブがほしい ・作品をもっと見せる
 ★3班(魚菜市場)に対して
  ・最後、サケが隠れてしまった  ・声が聞き取りにくい
  ・食べているものが見えない

 むろんお互いのよさを確認しあった上での批評です。
 このような子供たちの発言を受けて、S記者からコメントをいただきました。さすがと思ったのは、一つ一つの内容に対して「代案」を示したことです。そういう点はさすがプロです。

 たとえば、1班では石碑を写す時に、文字を上から下に順番に写し、その画面と一緒に句を読みあげるという方法を教えてもらいました。子供たちは「なるほど」と言いながら聞いていました。

 さらに、S記者が実際に制作したビデオを見せてもらいました。三陸鉄道初の女性運転士を扱った5分ほどのものです。初めて見る宮古以外の人にも実によくわかるように作られていました。

 友達やS記者の批評を聞いて、子供たちはやや落ち込みました。これはそうです。努力して自分たちはいいと思っていたCM作品でしたから。
 でも、そこは子供たちです。「よし、もう1回CMつくりに挑戦!」ということになりました。

■ロケこぼれ話
 教室にカメラが入って何日もすると、もう慣れてしまいます。カメラを近くで向けられても何とも思いません。それどころか、余裕ができます。たとえば、カメラマンがバッテリー切れで「ちょっと、すみません」というと、子供たちから
「また、バッテリー切れですか?」という声。これにはNHKスタッフも苦笑です。私自身もこの間、「これで授業はおわり!」というところを、「はい、これでロケはおわり!」と言ってしまいました。これにはNHKスタッフも大笑い。私も含め、皆、ロケを楽しんでいます。


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