Opportunity knocks
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夜、BS11でやっている「世界、わが心の旅」を見た。 今回の旅人は、夏目房之助さんだった。 マンガコラムニストであり、夏目漱石の孫にあたる人。 かつて漱石が留学していたロンドンへ行き、 祖父である漱石の足跡をたどるという内容だった。
家でとっている新聞にも時々彼のコラムが掲載されていて、 文章と漫画は結構前から読んだり見たりしていたのだけど 漱石の孫にあたる人だというのは、今回はじめて知った。 夏目という姓は珍しいほうだから、今まで結び付けなかったのが 不思議なくらいなのだけど、なぜか気づかなかった。 夏目さんは、ことあるごとに祖父と自分とを比較されることに 対してかなりナーバスになっていたと番組中に言っていたから、 たぶん意識的に、自分と祖父である漱石とを切り離しながら 作品を作っていたのだろうと思う。
夏目さんは、かつて漱石がたどった足跡をゆっくり見てまわりながら、 自分が祖父に対して持っていた隔たりのことを番組の中で話していた。 文豪の孫というプレッシャーはかなりのものだったらしい。 確かに自分というものを確立するためには、自分との間に1つの大きな しきりをたてることが必要だったのだろうなと思う。
でも、今はまた少し違ってきていると夏目さんは言っていた。 以前より漱石が身近に感じられるようになってきたという。 自分というものが確立されてはじめて彼は、漱石の孫であるということを 受け入れることができたのだろう。
なかなか素敵な人だった。 連れ合いが、あんなかっこいい中年のおっさんになりたいなあ、というので 無理だとわかりつつ、うん、がんばればそうなれるかもしれない、 といっておいた。 少しでも近づいてくれると良いなあと思う。。
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