Opportunity knocks
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2002年03月12日(火) 事故

私の住んでいるH市でガス中毒事故があった。
下水管の清掃作業をしていた人たちが、高濃度の硫化水素を吸い込んで
次々と倒れ、わずか40分あまりの時間で5人の方が亡くなった。

事故があった場所は河川の河口付近で、もう少し下ると海になる。
私も日常的に車でよく通ったりしている。

今回の事故は、汚泥などの堆積物と下水管から逆流してきた海水が攪拌され、
一気に大量のガスが発生したというのが原因らしい。
海水が流れ込んだことが、硫化水素を大量発生させた原因だというなら
なぜ事前に海水の逆流を防ぐための処置が徹底されなかったのだろうか。

作業をしていた方たちは、何かを考える暇もなかったに違いない。
何だか気分悪いなぁ、と思っているうちに意識が遠のいていったのだろうと思う。
そんな人生の終わり方ってあるだろうか。
人生が終わることを自覚することなく、遣り残した何かについて思いを馳せる間もなく、何だかよくわからないままに死んでいったのだ。

仕事に出かける日の朝、家族はいつものとおり送り出したのだろう。
夜になればいつものとおり帰ってくることを疑いもせずに。

そんなことを考えるとやりきれない気分になった。

死はいつでも身近なところにあるのだ。
いつでも誰かの前に突然現れたりするのだ。




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