Opportunity knocks
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オフロからあがった後、 鏡のまえで久々に自分の顔を見た。
もちろん、日常的に鏡は見ている。 コンタクトをはめる時、化粧をするとき、 髪をととのえるとき、などなど。
でもそれは何らかの目的があって鏡を見るのであって、 別にそれ自体何の意味もない。 コンタクトはちゃんと目の中におさまったか、 リップははみ出てないか、髪はとんでもない方向にはねてないか、 ただそういうことを確認するために見るのである。
でも今日は違った。 何となく自分の顔に見入ってしまった。 眉毛から睫、愛想のない一重瞼、頬から口にかけてのライン、 笑うとできるしわみたいな笑窪、いつのまにかできた眉間の皺。
自分が見ている以上に、わたしの周りの人はわたしの顔を見ているのかもしれない。いちばんわたしの顔を知らないのは私自身なのかもしれない。 何せ、鏡というものを通してでしか自分自身を見ることはできないのだから。 そんなことを考えた。
鏡の中の自分はとまどってるような気がした。 なんでそんな風に私を見るの?とでもいいたそうだった。
なんでもないよ、ただちょっと見てただけ、 と鏡の中の自分に向かって小さくつぶやいてみた。
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