Opportunity knocks
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2002年02月24日(日) 読了

「ミスター・ヴァーティゴ」読了。
訳者の柴田元幸氏が、あとがきの中で「現実離れしたものと現実的なものとの
混淆、飛翔と落下の併存がこのミスタ・ヴァーティゴの強みであろう」と書いていたけど、まさしくそのとおりの感想を持った。

おとぎばなしの中の現実、現実の中にある寓話的な要素、そういうものが複雑に混ざり合って一種独特のあの世界をつくっているような気がする。

ウォルト・ザ・ワンダーボーイという1人の男の人生の飛翔と落下は
読み手である私の感情も同じように上下させた。
ウォルトがはじめて浮遊したとき、同じように浮遊の感覚を感じたような気がしたし、飛べなくなったという事実をウォルトが受け入れたときも同じように、地に落ちたような絶望感を感じた。
そんなふうに、1人の作家が書いた世界に深く入りこむということは本当に素敵な事だと思う。それがあるから本を読むという行為は私にとって欠くべからざる存在なのだろう。

できるなら、もっともっと英語を勉強していつか原書を読んでみたいと思う。
日本語に置き換えたこの小説と、英語という言語で書かれたこの小説を、
いつか読み比べてみたいと思う。





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