Opportunity knocks
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2002年02月08日(金) 仮通夜

私の住んでいるマンションの管理人さんが突然亡くなった。
心臓の発作だったそうだ。

仮通夜にいってきた。
気が滅入った。

御夫婦一緒に、住みこみで管理人の仕事をしていた。
親しい付き合いというわけでもなかったけど、
少なくとも顔をみれば笑顔で挨拶をしていた。
つい先週も、一言二言世間話をしたばかりだった。


死に顔を見てやってください、と管理人さんの奥さんが言った。

わたしは管理人さんの顔をみることができなかった。

一昨年亡くなった自分の父親のこと、
もう2度と人の死に顔なんかみたくないと思ったことを思い出した。


一緒に通夜にいった友達が、綺麗な死に顔だったよ、と言った。


わたしはいつも苦痛のはてに力尽きた父親の、
哀れなくらい悲しい死に顔を思い出す。
夢にまで見る。
何も見ていないガラス玉のような目や、
半開きになった口元。
ただの有機物の固まりになってしまった父のすがた。

もう二度と人の死に顔なんかみたくない。








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