TOI,TOI,TOI!
今日、やっと電話がつながった。引越ししてから10日以上も経って。
ほんとにドイチェテレコムのいいかげんさには呆れた。
実は、この数日間、私はかなり参っていた。というのは・・・ 今まで、明らかでなかったことがついに明らかになってしまった。 私は、『KAの最終学年』として入ったのではなく、1年間だけ、この学校に所属することを許可されただけの立場だという。
KAの最終学年だと思い込んでいた私は、ほかの学生がそうしているように、卒業を延ばせると思っていた。友達がそう言ってくれていたから、そう信じていた。
ところが、私は、特別サービスで入ったようなもので、ほかの学生たちの「前例」は、参考にならないようなのだ。卒業試験は?と先生に聞くと、「受けたいなら、受けることはできる」と言った後、「受ける義務はない」と言っていた。 試験を受けるには、たくさんの曲を準備しなくてはいけないし、受けるとしたら、6月ごろ、つまりもう半年しかない。じっくり腰をすえて勉強することはできないだろう。試験曲を仕上げていくだけでせいいっぱいになってしまう。
友達の多くは、学校を変わることが一番いい方法だとアドバイスしてくれた。どこかでいい先生を探して、どこかの学校のKAで2年か3年(学校による)しっかり勉強して、しっかり卒業する。普通に考えたらそうなのだろうということは、頭では分かっている。
でも私は・・・
フォーヒャルトの教えを、自分のものにしたい。
この思いが強い。
それは、時間のかかることだということは、今まで半年間レッスンを受けてきて、身にしみている。実際、クラスの誰もがそう言う。Kも、最初はテクニック的にも精神的にもボロボロになって、1年以上苦しんだと言っている。その意味は、半年レッスンを受けた私には、よく分かる。それを経たKが、今のKなのだ。私もああいう風に弾けるようになりたい。彼女の演奏を聞くたびに思う。
1週間前、私は先生に言った。
「1年では、短すぎる。時間をつかって、勉強したい。」 「私はKのように弾きたい。Kのようになりたい。」 「あなたのもとで、勉強したい。それが私には最も重要なのです。」
そして、「卒業を延ばすことは、できないですか?」と聞いたところ、「難しい」という返事。
何もかも投げ出したいような気になった。すねた。たるんだ。
1週間経った今日、レッスンだった。 練習不足の私に先生が気づかないわけはない。でも、先生はいつもと変わらず私に接してくれる。いつも以上に、いいレッスンをしてくれた。すねていた自分に気付き、恥ずかしいと思った。ただひたすら音楽を愛している先生。真剣に音楽に接すれば、ほかのよけいなことが入る余地なんてないのだ。 ひねくれていた、私は。 先生は、大きい。
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