TOI,TOI,TOI!


2001年09月22日(土) 第3回カルテット合宿

合宿が終わり、皆が今日帰っていった。
フランクフルトでの初合宿は、いろいろうまくいくかどうか心配なことが多かったんだけど、なんとか無事終了。

Forchertが室内楽の教授(入試のときの朗らか先生)にコンタクトを取ってくれて、その教授のレッスンを受けることができた。
曲はモ―ツァルト。全楽章見てくれて、なんと、あらかじめ彼は2時間半も時間をとってくれていた!私たちにとって、ためになることをたくさん言ってくださり、とても勉強になった。

ああそれにしても!独語!彼の話は、、
ハイドンOp.33にモーツァルトが大きなショックを受け、触発されて作曲したのがこのハイドンセットであるという話。
その尊敬するハイドン大先生と、若干25歳だったモーツァルトがこのハイドンセットを一緒に演奏し、ハイドンもまたこの若者が創った曲があまりにもすばらしくてショックを受けたという話。
ハイドンセットと呼ばれるこの数曲のなかでの私たちが弾いた3番“狩”が持っている性格について。
それに関連して、モーツァルトが書いた楽章ごとのテンポ表示についての解釈。などなど、やはりドイツ語がちゃんと理解できないので話が半分も分からず・・・・とほほであった。

もちろんレッスン終了後にあとの3人がよってたかってNを質問攻めにし、まとめて説明してもらったのは、言うまでもない。

先生がおっしゃったことで印象に残ったことがあった。それは、
「僕の話はとても長い。すまない。でも、日本から来た君たちは、こういうことを勉強したいだろうと思うから」
まさに。本当に熱心で謙虚でいい先生。4人ともそう思った。
先生の名はブッフベルガ―。 ノブコはここの学生なんだし、またいつでもレッスンするからと言ってくれた。

合宿中、P君とテロの話をした日があった。
彼はいろんなことをよく知っている人なので、無知な私に、一から説明してくれた。ブッシュの立場。日本の立場。産業の関係。北朝鮮のこと。複雑な問題がいろいろ絡んでくるということが、少し分かった。
それでも、やっぱり日本だけは、戦争はしないという姿勢を貫くべきじゃないのか、と私は思う。その役目を果たせるのは日本だけじゃないのか。それでアメリカにそっぽ向かれたとしたって、極端な話、誰も聞いてなくたって、日本は「戦争はしてはいけない」と言い続けるべきだと私は思う。誰も聞いてないなんてことはないだろう。アメリカ人のほとんどが報復を支持しているというが、そうでない人も必ずいるはずなのだから。少なくとも私はそう思い続けていたいのだが、思っているだけでは何も変わらない。これを表現するにはどうしたらいいのだろうか。自分で政治家になるしかないのだろうか。

きのう、P君の提案で、この家でミニホームコンサートをやった。
私たちはモーツァルトの狩、1楽章。そして、趣味でピアノをひくおばさんが喜ぶに違いない、と思い、ゴゴティの友達にピアノを弾いてもらった。
おばさんもおじさんも、非常に喜んでくれた。
おじさんが、みんなにワインを振舞ってくれ、息子は、ガーリックトーストをオーブンで焼いて出してくれた。おばさんは、本当に感激してくれたみたい。

カルテットの名前が決まった。

「Parnass Quartett」

ギリシャ神話に出てくる「芸術の神々が集う山=パルナソス」の、ドイツ語綴り。フランスには、モンパルナスというところがあるらしい。フランス語綴りではParnasseとなるんだそうだ。この名前を提案してくれたのは、ゴゴティのお母さん。


  
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