シネマ*マシンガン
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2005年06月03日(金) |
【白い巨塔】ギラギラの似合う男。 |
どうしてもTVドラマとの比較の話をしたくなってしまうのですが…やはり比較してしまいます(笑) まず主演の田宮二郎、やはりすごい。若手医師のギラギラした面と、プライドを傷つけられても腹に一物隠しておくところが無理なく同居しています。唐沢寿明はその点、ちょっと強すぎかと思ってましたから、腑に落ちるものでした。 東教授の東野英治郎は意外でした。黄門様ー!と言うにはまだお若いですが、学者然とした役どころには少々向かなかったかも…。石坂浩二の狸ぶりはなかなか見事でしたから。里美を演じた田村高廣も今ひとつキレがなかったような…。映画の尺の中ではどうしても、里美の人となりを示すシーンが短かったというのもあるだろう。
しかし財前五郎の父(石山健二郎)、鵜飼教授(小沢栄太郎)は見事だった。見えやすい人物設定ということもあるかもしれないが、言葉の面ひとつとっても、泥くささを匂わせながらもどこか品を失わない、名演技で話をひきしめてくれた。
女優陣、小川真由美と藤村志保には?だったが、これは世相を反映してのキャラクターだからかもしれない。あんなエキセントリックな愛人ではなあ、と思ったが、平成版のような結びつきとは違った関係のようだったし。
何より特筆すべきは、150分の中にこれだけの物語を、簡潔かつ大胆におさめ得たということだろう。多数の登場人物を抱え、めまぐるしく展開するストーリーでありながら、見応え十分である。
映画版は、財前五郎の無罪、教授就任で幕が下りる。いっそうギラギラ光る田宮二郎の目が印象的であった。
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