シネマ*マシンガン
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2005年04月11日(月) |
【イブラヒムおじさんとコーランの花たち】途上へのあこがれ |
パリ・ブルー通りの愛に飢えた少年「モモ」と、行きつけの雑貨店のおやじ「イブラヒム」の交歓を描いている…のかと思ったら、ほんとは前置きの長いロードムービーだったんじゃないかな、という話。
父親の死まで、家にも「家族の愛」っていう幻想にも縛りつけられていたモモが、イブラヒムおじさんとの旅の末に迎える結末、っていうのがほんとの大筋なんじゃないかなあ。見ている最中は数々のエピソードが備わったブルー通りのあたりのほうが実際派手なんだけど、台詞も少ない後半部分のほうがなにか訴えかけるものが多いような気もする。
距離的な移動がないだけで、前半もモモにとっては「途上」の入り口なわけで、自分が何者なのか、とか、自分はどこにいるべきか、何をするべきなのかを探すっていうスタンダードな主題は貫かれているんだよね。ロードムービーとか年代記ふうな作品が増える背景には、そういう「途上」へのあこがれっていうのが全年代的にあるんじゃないのかと思ってみたりもする。
あまりの熱演に誰だこりゃ、と思ったらオマー・シャリフだったんじゃないですか、イブラヒムおじさん!アラビアのロレンス!
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