シネマ*マシンガン
映画鑑賞言いたい放題覚え書き
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2004年09月10日(金) 【太陽がいっぱい】アラン・ドロンでおなかいっぱい

話の筋じたいは込み入ったものではない。金持ちの友人とつるんで(っていうかこきつかわれて)生きてきた青年、トムが完全犯罪を目論見、友人フィリップを洋上で殺害。フィリップに成り代わり、彼の持つものすべてをわがものにしようと細工するが、そんなお芝居がそう長く続くものでもなく、次なる罪を重ねてしまう。

声色をまねしたりとか偽造とか、犯罪としてはずいぶん荒っぽいことをやっているのですが、ここはまあ話のあらをさがすより、ギラギラしたアラン・ドロンの表情を眺めていくことにしましょう。綱渡り的な逃避行のあいまにフィリップの恋人にまでアタックする欲まみれーなギトギト感が甘いマスクに妙に合っています。

当時の彼が売り出し中のアイドルなんだとしたら、このような映画の、このような役を演じるのはけっこう冒険なんじゃないでしょうか。まあ大変魅力的な青年ではあるんですけど、まっくろな役ですし。

それもこれも、ラストのためにあるようなものですかね。鮮烈でいて物語をしめくくるには絶好な、実に印象的なラストだと思います。タイトルもいかしていますね。邦題もすばらしい。ナイス邦題ベスト5入り間違いなし。余談ですが公開当時のアメリカでのタイトルは『Purple Moon』、イギリスでは『Blazing Sun』だったそうです。なんでや…。


佐藤りえ |MAILHomePage

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