水野の図書室
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2016年03月23日(水) 山本弘『リアリストたち』

180年後の日本。
人口減少が進み、人口1,200万人になった日本には、「ノーマル」と「リアリスト」がいます。
バーチャルの毎日を過ごすノーマルと、リアルな暮らしを守るリアリスト。
今でも、買い物はネット派と、昔ながらの商店街に足を運ぶ人たちがいますから、山本弘『リアリストたち』の世界は容易に想像できます。

そこで、ふと気になるのは、ノーマルとリアリストのお話しなのに、なぜ、タイトルが『リアリストたち』なのでしょう?

仮想空間で育成するバーチャル・ベビーに人権が認められる世の中になっても、バーチャルでは、子どもを育てる喜びは持てないと思います。
子育ての面倒な部分をすべて排除して、バーチャルで成長を見守るだけなら、飽きてしまうのでは?

バーチャルは気楽で、リアルの辛いことから目を背けることができます。
ですが、誰もがわかっているんです。
リアルあってこそのバーチャルだと。


水野はるか |MAIL
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