水野の図書室
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2004年08月02日(月) 江國香織『十日間の死』

つくづく、江國香織とは相性が悪いのではと感じました。「あたし」の三文字に
引いてしまうのは、この方だけではないのですが、5月に『ほんものの白い鳩』
(「LOVERS」収録、祥伝社文庫)を読んだときと同じ気分。。

お願いできるものなら、「あたし」じゃなくて「わたし」にしてほしいのです。
甘い。甘すぎる。頻繁に使われる「〜だけれど」「〜だけど」の言い回しが、
リズム感を押さえてしまって、読み心地が定まりません。
でも、江國ファンにとっては、このまったり感が魅力なのかもしれませんね。

『十日間の死』は、高校を退学しフランスに留学した(させられた)あたしと
フランス人と結婚したアメリカ人、マークとの出会いと別れのお話。
恋人を失った悲しみを綴っているようで、悲しみにうっとりしているあたし。
夢なんて捨てたような素振りを見せながら、いつでも夢見ている女の子を
描くのが上手いですよ、江國香織。結構思い当たるところがあったりして、
女にはそういうとこあるのよー、って、相性が悪くてもつきあっちゃうんです。


水野はるか |MAIL
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