水野の図書室
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2004年07月19日(月) 藤堂志津子『魔法』

「昔の恋人」(集英社文庫)最後のお話も、やはり昔の恋人と再会するお話。
17年ぶりに初恋の相手と再会した睦葉は、恨むでもなく責めるでもなく、当時の
想いを相手に告げるのです。

んー、、睦葉のように上手に言葉を選んで話ができたら、いいですね。
気持ちを言葉にするって、難しいし、言葉にしてしまうと、相手の受け取り方に
よっては、本当のところがねじれて伝わるような気がして、一番大切なことは
なかなか言えなかったりします。

遠い日の恋を、なつかしいけれど、今の生活をなげうってまで戻ってやり直したい
恋ではないと冷静に見つめることができるのは、今が幸せだからでしょうか。
過去の恋を引き寄せるかどうかは、それに値する相手かどうか、じゃないかと
思うんですが・・。(うきゃ!アブナイ発言)
もちろん、恋は相手まかせじゃいけません。恋の魔法をかけるのも解くのも
自分しだいなんですから。

4編の再会物語はどれもリアリティーにあふれ、小説を読んでるというより、友人の
身の上話に耳を傾けてる感じです。気軽に読むには、少々重くて。でも、そんな
友人の体験談が、いつか参考になるのではと思えてくる1冊。
恋愛関係がうまく築ける人は、人間関係を構築していくのも得意なような気がします。


水野はるか |MAIL
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