水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
泥眼(でいがん) とは、能面のひとつで、元は人間の存在を超えた菩薩だったものが、 能の歴史と共に女の生霊を表す面となったもので、、と説明しても、どんな面なのか よくわからないですよね。なので、こちらを。女面(怨霊系)でお会いできます。 泥の眼といっても、眼には金が使われるとは驚きです。この面をつけて舞う姿を、 文字だけでキリキリ伝える乃南アサ、素晴らしい!
ストーリーは、とってもシンプル。面打ちにプライドを持つ面打師に泥眼を依頼した 日本舞踊家が、妥協を許さない厳しさで面に注文をつけていきます。
乃南アサがじわっと描く日常の恐怖も巧いなあと思いますけど、研ぎ澄まされた 能面打ちや踊りの世界を見せてくれるのも巧いですねぇ。 ミステリーアンソロジー「蒼迷宮」(祥伝社文庫)の中で、他の作品とは違う恐ろしさ が際立って、いい感じ。
ええ、ホント。乃南アサの文学的鉱脈の幅広さを感じました。
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