駅貼りのポスターを見た時から「絶対行こう」と思っていた唐招提寺展。「でも自分が奈良に住むことがなかったら、またその時に唐招提寺を訪れることがなかったら、今回の企画展に興味は持たなかったかもなぁ」などと考えながら、雪景色の中、上野の東京国立博物館に出かけた。「雪だから訪れる人も少ないかな?」という考えは甘く、会期終了間近の唐招提寺展は大賑わい大盛況の人気ぶりだった。せっかくなので500円を支払い寺尾聰さんナレーションの音声ガイドを借りて解説付きで展示を楽しむことにした。展示室は大きく分けて4つ。現在10年がかりで大修理中の金堂再現−仏像展示,金堂を造り支える瓦等展示,CGを駆使したバーチャルビデオ,そして鑑真和上坐像の安置されている御影堂再現。教科書でしか見たことのなかった崇高で柔和な鑑真和上坐像,存在感のあるご本尊:盧舎那仏坐像(お背中側から見ると頭に禿げが^^;),天平の甍のロマンを感じさせてくれる瓦や鴟尾断片・・・。ひとつひとつについて書いていたらめっちゃ長くなってしまうほど、私は唐招提寺にそして奈良時代に引き込まれてしまった。そして御影堂内を飾る東山魁夷による障壁画は想像していた以上に色使いも筆使いも素晴らしくうっとり。雪の中、見に来て本当に良かった。しかし千手観音さまは今どこに? 薬師如来さまは奈良博にいらっしゃるらしいけど。金堂の大修理が終わる2009年以降いつかまた必ず唐招提寺を訪問し、そして一生懸命金堂の屋根を支える隅鬼くん達に(←展示を見ていないと意味不明ですが)挨拶をすることを心に決めて会場を後にした。その後父から招待券をもらった特別展『踊るサテュロス』も鑑賞。踊るサテュロスと名づけられたブロンズ像1体だけの展示。海底から偶然に引き揚げられた紀元前のブロンズ像が目の前にあるなんてロマンだよね。ちなみに愛・地球博でもお披露目されるとのこと。最後に常設展である法隆寺宝物館も鑑賞。奈良に住んでいながら法隆寺に行かなかったのは心残りのひとつ。次は必ず斑鳩の里へも!美術館や博物館にはめったに行かない私だけれど、これから『ラ・トゥール展』『中宮寺 菩薩半跏像』『ルーヴル美術館展』などちょっぴり気になる企画展が続く。今年はこころ静かな美術鑑賞の年にしようかな。