ひとりカーニバル
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ダンボールを処分するため、木で風呂をたくことにした。
最初風呂がまに木を2、3本しこみ、油でゴォォと火をつける。あとはそれを元種に、ダンボールをくべていくだけだ。レッツ、焼却。紙に近いものであるから、燃えるのが早い。火を絶やさないように、つきっきりで風呂たきだ。ぼうぼう。ぼうぼう。・・・あったかい。
寒い夜には悪くない、風呂たき当番。むしろ、とりあってもいいだろう。しかし、それ以外の季節はやりたくない、風呂たき当番。みんなが押し付けあうこと必至。
寒い夜、火は人を魅入らせる。身も心もあたためる。身も心もあったかくなると、心にだって余裕が出てくる。
――そうだ、焼き芋だ。焼き芋をつくろう。
心に出来たわずかな余裕は、焼き芋をするという行為を生み出した。サツマイモはいずこ。サツマイモはごろごろとあった。小さいサツマイモを選び、銀紙でくるんで、釜にイン。少し奥の方に入れておいた。あとは焼けるのを待つだけさ、シシシ。ダンボールをくべくべ、風呂釜の前でまどろんでいた。
――炭や。
くべることに気をとられ、芋を入れたことをすっかり忘れること数十分。気付いた時には既に木炭に酷似していた、芋。叩けば音がする。直径2センチほどの芋を半分に割ると、ぐるりと周りが芋炭(いもたん)。それにかこまれて、中心は、黄金色に輝いていた。
地球の内部を彷彿とさせるその物体は、めでたく炭と認識されましたとさ。おわり。
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