ひとりカーニバル
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2001年10月31日(水) 冷や飯のプライド

夕食の準備をしているとき、母が冷蔵庫から冷や飯を取り出し、
「これを処罰しなきゃ」
と言っていた。処分の間違いではないか。

処罰・・・罰すること。こらしめの処置をとること。(国語辞典より)

いや、もしかしたら母にとっては、冷や飯は処罰の対象なのかもしれない。もしかしたら冷や飯は、何かこらしめを受けるような罪をおかしたのでは。

大量の冷や飯。炊きたてで食べられる機会を失った冷や飯は、冷蔵庫の中で「チャーハンにされるぐらいなら・・・!」と、思ったのだ。もしかしたら「おかゆにされるくらいだったら・・・!」とも思ったかもしれない。

フライパンで炒められて、醤油で色をつけられることは、屈辱だったのだ。白いご飯がチャーハンで醤油色に染まるということは、日本人がガングロになるぐらいの衝撃が走ったのだろう。おかゆに至っては、飯の正体わからへん!という嘆きもおこったことだろう。冷や飯は、脱走を試みた。

しかし、うっかり見つかった冷や飯。それは、出来るだけ食べ物を粗末にしまいと考える母にとって、許すことのできない行為であったに違いない。


「あ、処罰じゃなくて処分ね、処分」
そんな母の言葉を聞かなかったことにして、わたしは考えていた。


絣 |MAIL

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