原案帳#20(since 1973-) by会津里花
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2002年05月14日(火) Hikki、おだいじに! 山ほど言い訳

★1・Hikki、おだいじに!
★2・山ほど言い訳



★1・Hikki、おだいじに!

今、[11:42 02/05/14]。
なんか、起き抜けにいきなり
宇多田ヒカルの公式サイト( http://www.toshiba-emi.co.jp/hikki/index_f.htm )なんかを検索してしまい、
―以前はお気に入りに入れてたんだけど、
再インストールするときにお気に入りがすっかりなくなってしまったことがあって
それ以来Hikkiのページには行く機会がなかた―
「Message from Hikki」を読んで、あんまり詳しくは書いてないし、
彼女の文体にはまだそれほど慣れてないので(っていうか私がハマって文体が彼女と同じになっちゃったら
ちょっとイタイでしょ?(-_-; 距離おいてるつもり(^^;)
行間から感情の奥の方まで読み取ることもできなかったけれど、
それでも気持ちの面でも体調の面でも不安定になってたんだなあ、っていうのは
すごくわかるような気がしてしまったので、
「Message to Hikki」に↓のメッセージを送ってしまった。


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Hikki、新聞であなたの病気のことを知って、すごく久しぶりにあなたのHPにお邪魔しました。
欠かさずにCDは買ってるけど、ふだんはサイトにまで来る気はしない、っていう程度のファン……(ごめんね)。
今は体の調子はどう? 気持ちは安定してる?
(またあなたの日記読ませてもらいますね)

実は、私は「トランスセクシャル」=性転換者です。
もとは男性でした。認めたくないけど、あんまり。
正直言って、あなたの病気の報道を目にして最初、混乱したことが頭の中を駆け巡りました。
「え? 卵巣摘出? なんだかある意味、『私のような存在と似た状態になった』、ともいえるのでは?」
……ごめんなさい。こんなこと書いたら、怒られてしまうかも。
ただ、本当に、ニュースを読んで、ぱっとそんな感想が頭に浮かんでしまったのです。
それも、かなり強烈に。

もしかしたら、「性転換者と同じ」などといわれたら、Hikkiにとっては今は特に気持ちも不安定になってるかもしれないので、嫌ないやーな気持ちになってしまうかもしれませんね。

でも、うまくいえないんだけれど、
私は、卵巣ではなくて精巣だったけど、両方とも摘出しました。
(追記;いちおうお断り:
私はホルモン投与を始めた頃にはもうテストステロン=男性ホルモンの値が
男性の下限未満になっていました。原因は不明です。(精神的な状態のせいだったかも?)
だから、「そんなこと明らかにしてもいいのか」と思われる人もいるかもしれないけれど
私のケースは「母性保護法」には抵触しません。「生殖能力」はもうなかったのだから)

私の場合は「男性であることをこれ以上続けることはできない」という決意からだったので、Hikkiの場合とはその点でも大違いだし、
「望んでする」ことと「望まなかったこと」という点でも大違いです。
でも、私もその手術の後、やっぱり精神的に不安定になってしまったりもしたし(自分で望んだことであるのに!)、
体調もなんだかわからない不調の出方をしたりして、
けっこう「自分とつきあう」のが大変になってしまったりしました。

もしかしたら、私はHikkiの苦しみを、半分、いや4分の1くらいはわかるかもしれない。
と、思いました。

言葉がじょうずに選べないまま、長い文章になってしまいました。
すみません。
(本当は、報道の後すぐにでもHikkiに何か書こうか、とも思ったけれど、何て言えばいいのかわからなかった。
でも、あれから何日もたってるのに、やっぱりじょうずに表せません)

言葉はともかく……
あなたの苦しみをシェアしたい気持ちで、
癒しのハグを送りますね。

HUG!

せめてこれだけでも、伝わってほしい。
きっと大丈夫だから。
ムリしないで、あなたのペースでがんばってね。
さしでがましいこととか書いてしまってすみませんでした。
ただのファンですけれど。
お大事に。


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もしかしたら、Hikkiの熱烈なファンにしてみれば
「おまえなんかと一緒にするな。気持ち悪い」
と思われるかも。

でも、でもね。
言い訳だけど、私の中のある部分は、
根拠なんか全くないけれど、
Hikkiと同い年、それかもうちょっと年下(!? うーん、それもイタイかも(-_-;)
そういうキャラなんだと思うの。

(それにしても、それほどまで年齢を気にする私って、
「男性的思考」にどっぷり漬かってる? 女性の言葉や文章で
こんなにしつこく「世代」を気にしてじたばたしてる言葉、見たことないぞ!
……まあ、そういうヤツだということを理解していただければ)

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★2・山ほど言い訳(……という名の断片集)
 * * *

私のこの言葉に「カチン」と来た人
*「私は寿命が短い」
思い込みとかで言ってるわけじゃありません。
現実に、'60年代に性転換したり女性ホルモン投与したりしていた人たち、
つまりその当時は20代の若くて美しいさかりだった頃の人たちのうち
現在、つまりその人たちは60歳台になっているわけだけれど、
生きている人はそうたくさんいないのです。
私たちは、これからはそういうことにも目を向けなければならないと思います。

たとえば容姿とかの面では、年を取ればとるほど、「性差」は少なくなってきます。
つまり、男女どっちにしても「しわくちゃ」です(-_-;
それを回避して、60歳になっても「若くてぴちぴち」を保とうとするのは、
(実はやればできる人もいるだろうけれど)
私にはあまり現実的なこととは思えないのです。
何よりも「老い」という現実から目をそむけようとする生き方だと思うし、
実際にそうなったときに、ああでもない、こうでもない、と悩むのはもう嫌なんです。

たぶん、'60年代と比べて、現在の医療ははるかに「長生き」できる体勢を整えつつあると思います。
でも、生物学的に与えられた形をある意味「ゆがめて」望みのかたちを手に入れた以上、
そうしなかった人たちと比べたら絶対に、ある程度は「寿命が縮まっている」のは
当然だ、と思うのです。

それなのに
「そんなことを言うなんて、何考えているのかわからない」
などと言うのは、感情だけに囚われた人だと思います。

*「私は頭がいい」
比較の問題として私より頭のいい人はいくらでもいるでしょう。
私のように「馬鹿な選択」をしないで生きている人たち。
ちょっと羨ましい気もしますけれど、
そういう比較の問題じゃなく、私は自分のことを
「(ちょっと無駄なほど)頭のいい人」と捉えなくてはならないと思います。
なぜならば、その認識をもたずに
「私は馬鹿だ。誰にでも(←って誰のこと?)わかるようなことが私一人わからずにいる」
と思い込んでしまうことで、ぜんぜん根拠もなく自己評価を下げ、
知らなくていいようなことまで根掘り葉掘り詮索して、
かえってものごとが私にとって「その程度」理解できればいい、という限界を超えて
私の頭の中に入ってきてしまって、
それで混乱してしまう、ということがあるのです。

それなのに、私のその発言を読んで
「何を考えているかわからない」
などという人は、それこそ自他の区別がつかない人だと思います。
仕方ないじゃん、上に書いたように詮索したがると、
かなり深いところまで突っ込んじゃう、もっと言えば「凝り性」なんだから(-_-;

*「私は男だった頃にはもてた」
これについても
「そんなことを言う里花がわからなくなった」
と言われましたけれど、なんで?
「そんな人騒がせなこと、たとえ個人の日記であろうと
人の目に触れるようなところに書くものじゃない」
とか言う人がたくさん(日本人の4割くらい?)いるのかもしれないけれど、
私にとってはこの認識を持つことはとても大切なことだし、
一人で勝手に思っていても、むしろなおさら危険なだけだと思うから、
恥を忍んで公言しているんだけど?
この言葉を批判されるのは、他の二つよりもいっそう頭に来ます。
人の気も知らないで、よくそうやって勝手に
「理解できない(+たぶん『不快だ』と思っているんでしょう)」
なんて言えるなあ、と思う。

私は、本当に自分が「男」を演じていた頃には全く気付かなかったんです。
自分が「もてる」とか。
でも、今になって思い返すと、
あれは「もてる」ということだったんじゃないか、と思えることが
あれこれあるんです。
「もてる」といっても、たとえば軟派くんみたいに
「たくさんの女性と見境なく性的なつきあいをする」とかいうのは
私には無縁でした。
だって、気持ち悪いじゃん、そういうの。
私はふつうに「友だちになりたい」と思っただけ。
でも、相手の女の子から見れば、私の見かけは男性だし、
とりあえず「見た目がカッコイイ男」なので、
それなりに恋愛対象、または少なくともそれが理由で好意的に扱われていた、
ということがかなりあったんだ、ということに気が付いたのです。
はっきり言って、私は愕然としたし、
これからは二度とそんなことがあってはいけない、と思います。
私を今でも「カッコイイ男」だと思っている人、悪いけれど「さよなら」です。
いつまでも気付こうとしなかった、私自身の「自己評価の低さ」とあわせて。

私には、過去に心から愛した女性が3人います。
それは、性別についての大きな勘違いもありましたけれど、
事実は事実なんです。
そのことを「なかったこと」にしたくなんかないし、
「愛した」という気持ちについても「勘違い」が含まれていたにせよ
「本当はなかったこと」にしたくもないです。
ただ、これから先は、悪いけれど二度とそういう勘違いな過ちを繰り返したくないのです。
そのことについては、過去に愛した人たちの思い出だけに生きたいと、
強く、強く思うのです。

そうね、いいお友達はたくさんいてほしい。
ううん、たくさんじゃなくてもいいけど、
「親友」と呼べる人が、これから先、20年なのか30年なのかわからないけれど
(あと1日かもしれないけれど)
―つまり私の一生、死ぬまで、という意味で―
いたらとても嬉しいと思う。

適切な距離をお互いに保てて、それでもお互いに相手の生き方を信頼できるような、
そんな親友。
(実はもう、何人かいるような気がする……
男女、それぞれに♪)

メールのお返事が遅滞しています
これは、本当の「言い訳」です。
実は、昨夜から今日にかけてODNでアクセスができないんです。
で、Webメールというのでブラウザからはメールが来ているのが見れるんですけれど、
お返事を出すところまでこぎつけていません。
他にもお返事したい人はたくさんいるんだけど、
本当にごめんなさい!!
復旧したらすぐにお返事差し上げますから。

あと、「リンクのページ」も、なかなか1日仕事になってしまうので、
なんだか塾の先生を始めたばかりで気持ちに余裕がないのか、
それとも「原案帳」に言い訳書くので手一杯になっているのか、
手がつけられずにいます。

(でも、不思議と「今ならできる」というタイミングが来るはずだ、という気がします。
それならそれでおっけーかな、と……
うう、でも実はアセってます(^^;)

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