原案帳#20(since 1973-) by会津里花
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2002年01月14日(月) 私は「やおい作家」? 怪談(書き直し)

★1・私は「やおい作家」?
★2・怪談(書き直し)
★3・……

★1・私は「やおい作家」?

なんだか、執筆中(ってなかなか進まないんだけど)の『Survival第2章』、
何気に読み返してみたら、まるで「典型的なやおい?」とでも言いたくなるような内容。

別に狙ってるわけじゃないし、私「やおい」のことはあんまりよく知らないんだけど?
なんでこうなっちゃうんだろう?

……ま、いいや。

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★2・怪談(書き直し)

(ある掲示板で、「怖かったから」ついつい書いてしまった記事)

以下転載---------------------------------

……それは私がまだ幼稚園の頃のことでした。

私は2階の広いほうのお部屋の床の間に飾ってある祖父と祖母の写真、
殊に祖母の写真が怖いと思っていました。
だって……どこに行っても祖母の目はいつでもこちらを見て 
いて、
決して離れないんだもん。

それなのに、私はその部屋に一人っきりで寝かされておりました。
弟が隣で寝ていたはず……? 記憶にありません。

どういうわけか、私はなかなか眠れず、なんとかして寝たふりだけでもしようと
目をつぶっておりました。

すると、どこからか「ギシッ」という音が聞こえてきたのです。

ああ、あれは階段の音だ……
私はそう思いました。
私の家は古くて、階段の建てつけが悪くなっていて、
下から3段目、それから5段目か6段目、そうして上から2段目……
確かそのくらいが、いつも踏むと「ギシッ」という音を立てるのです。

でも、誰が階段を上ってくるんだろう?

……まさか……おばあさん?
今日、怖いのをごまかそうと思って、ふざけて逃げ回るような真似をしたから、
それを怒っているんだ、きっと!

私は、どきどきしてしまいました。
怖い。
誰が上ってくるんだろう?
怖いよう……

「ギシッ」
また音がします。
これはきっと真中へんの段だ。

「ギギィッ……」
ああ、これは上から2段目……

そうして。
音が止みました。
どうやら、足音の主は階段を上りきって、
私の寝ている部屋の入り口の扉の前に立っているようです。

誰なんだろう……?

私はできるだけ誰にも気づかれないように
(だって部屋の中にはもう祖母の写真があって、私を見ているから!)
そおっと掛け布団を引き上げて、顔をほとんど覆い隠してしまいました。

そうして、布団すれすれのところから僅かに目を出して、
薄目を開けて扉のほうを見てみたのです。

「……すうっ……」
扉が静かにすべる音。
扉の向こうには……

誰もいないのです。

私はそのことに気づいて、本当に怖くなってしまいました。
いやだよう。
誰なの。
私に何をしようとしているの。

体を強ばらせてじっとしている私の耳に、今度は
「ギュッ」
というような音が聞こえてきました。

それは、畳を踏みしめる音でした。
「ギュッ……ギュッ……」
足音は、とてもゆっくりと一歩一歩踏みしめながら、
こちらに向かってくるのです。

こちらに来る!
誰なの。
見えないよう。

姿のない足音は、だんだん私の頭のほうにやってきます。
私は、薄目を開けているのを気づかれてはいけない、と思って
ぎゅっと目をつぶりました。

「……ギュッ……ギュッ…………」

ちょうど、頭のすぐ上のところで立ち止まったようです。
なんだろう。
なぜ立ち止まっているんだろう。

私は何かされるのかと、いっそう体を強ばらせていました。

「……ギュッ……」

足音がまた聞こえてきました。
どうやら、頭のところでは何もしないようです。

足音は私の右のほうからやってきたのですけれど、
頭のところから今度は左のほうへ回り始めました。

こうやって私のまわりを回るのは、いったいなんだろう。
何かのおまじないだろうか。

私はそう思っていました。

「……ギュッ…………」
足音が、また立ち止まりました。

今度は、私の足元です。

そのとき、何の拍子かわかりません、
私は突然、目を開けてしまったのです!

……そこには、黒い人影がありました。
「姿が見えない」と思ったのは、どうやら私の気のせいだったようです。

でも、それが誰だったのか、私には今でも思い出せないのです。

ただ、その黒い人影と、一瞬、目が会ってしまったような気がします。

私は慌てて目をぎゅっとつぶりました。
黒い影は、そのまま少しの間、そこに佇んでいました。

「……ギュッ…………」

黒い影の足音は、三たび歩き始めました。

「……ギュッ……ギュッ……」

そうして、階段の手前の扉のところに来ると。
……

それっきり、何の物音もしませんでした。
私はしばらく、耳をこらして、その黒い影がまた階段を踏み鳴らしながら
降りていくのを確かめようと思っていたのですけれど、
いくら待っても何の音も聞こえませんでした。

……次に気が付いた時は、もうカーテンの隙間から白っぽい明け方の光が
漏れて入ってきていました。


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本当にあったお話です。

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★3・

……

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