こしおれ文々(吉田ぶんしょう)

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2012年04月07日(土) 吉田サス劇【夏美】(第2部)第20話『夏美』


吉田サス劇【夏美】(第2部)

第20話『夏美』



女性をおびき寄せる方法

それは
俺自身が女性を演じること


男が普段とは違う
理想の男を演じることができる世界

それなら
性別すら隠すことだってできる


女性の名前を決め
【同性で世間話しませんか?】と
待機メッセージを入力


そうすると
男でひたすら待っている時間が
ウソのように
女性が訪れるようになった


こちらが男とも知らず
入ってくる女どもは
アホみたいに本音を話す

女性であることの建前が隠す【女の本性】


その内容に
俺の性癖は激しく搔き立てられた


待ち構える女性が男の俺なら
入ってくる女性も男が演じているってことに気付かず
情けない男たちの
行き場のない性欲が
この世界で消耗されていった


そんな中
俺は一人の女性と仲良くなった


都内に住む35歳の主婦は
特に夫のセックスに
不満があったわけではないが

娘が通う幼稚園で知り合ったママ友から
ストレス発散に使っていたチャットを勧められ

どちらかというと
やりたくはなかったのだが
付き合いもあって断りきれず
来てしまったとのこと


2〜3回やってみて
自分はあまりハマらなかったと
話すつもりだったようだが

チャットで知り合った女性に心を許し

娘のことや
夫への些細な不満
ママ友との付き合い方など
話すようになる


元々人見知りで
付き合いが苦手なタイプだったからこそ

しがらみを気にせず
正直に話すことのできるチャットに
ハマってしまった


もちろんこの主婦は気づいてはいない


チャットという世界で知り合った
【夏美】という女性


彼女を男が演じているということに



それどころか
家族や学生時代の友人より
はるかに心を許せる
唯一の存在として

絶対の信頼を置くこととなる




『じゃあ、その男性と会ってみようかな
夏美さんの紹介ならきっといい人だよね』





管理人:吉田むらさき

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