samahani
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2004年08月15日(日) 匂い

ベン・バウンダーさんは、とっても気のいいおじいさんである。1年ほど前、初めて私が彼に日本語を教えることになった時、私に宛てて自己紹介のメールを送ってきた。そのとき私は Boeing とか missile とかの単語をキャッチできなくて、 Boe ってどういう意味の動詞だろうとか、 miss した ile ってなんだろうなんて思った。そう言えば、ずーうっと昔のことだけど、 handicap のことを handi な cap ってどんな帽子だろうなんて思ったこともある。(バカだ)

バウンダーさんのオフィスは、クリスタルシティというまるでポケモンに出てくる町の名前みたいな所にある。1年ぶりに彼に日本語を教えることになって、クリスタルシティまで車を走らせた。彼のオフィスビルの1階には、メキシコ料理のファーストフード店やクリーニング屋や郵便局など雑多な店が入っている。そこを通り抜けながら、床を清掃した洗剤の匂いと、タコスやブリトーの匂いに懐かしさを感じて、ああアメリカに帰ってきたんだなぁと思い、不思議な気持ちになった。普段、メキシコ料理なんて食べようとも思わないし、食べたこともないから。

匂いほど、懐かしい気持を呼び起こすものはないと思う。写真のように記録することができないもの、感じて初めて実感するもの。

懐かしいといえば、今回、しみじみ懐かしいと思ったのが、夫の匂いだった。そんなふうに思ったのはたぶん初めてで・・・、私たちもそれなりに年月を経てきた夫婦になったのだなあと少し嬉しかった。



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