samahani
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2004年03月17日(水) |
奇遇ですなぁ! (子どもから教わったこと 1) |
Tokyo kids に日本語を教えるのも今日で4回目になった。初めは、挨拶やら物の名前などを教えていたのだが、それだけで間が持つわけもなく、日本語で通すのも無理だと悟って、英語で説明するようにもなった。
大きい−小さい、早い−遅い、長い−短いなど、ボードに新幹線(早い)や自転車(遅い)の絵を描いてみたり、重いの時には重いものを持つ格好をしたりして、いくつかの単語が出たあとで、こういう形容詞はみんな「い」で終わるんだよと言おうとして、「はっ! 形容詞なんて言って分かるのかしら?」と思った。なので、すこし自信なさげに「こういう言葉をなんていうか分かるかな?」と訊いたら、子どもは “ adjective ? ”と返してきた。なーんだ、知っていたのかとホッとした。
これによく似た思い出がある。
昔、福生市の横田基地の近くに住んでいた頃、基地のアメリカ人が地区の公民館で英語を教えているクラスに通っていたことがある。そこでは、NHKの続基礎英語のテキストを使っていて、その中の例文に What a coincidence ! (奇遇ですなぁ!)というのがあった。ビジネスマンがふたり、初めて会って自己紹介をしている時に、出身地だか出身大学だかが同じだと分かり、「奇遇ですなぁ」と言うという設定だった。
それからしばらくして、ボストンに住むことになり、息子の通う幼稚園にしょっちゅう顔を出すようになった。ある日、5歳の女の子ふたりが話している会話を何気なく聞いていると、おばあちゃんの話をしていた。「ケイトのおばあちゃん(名前)なんて言うの?」「メアリーだよ」「ジュリアのおばあちゃんは?」「私のおばあちゃんも、メアリーなのよ」「Oh ! what a coincidence !」
そばで聞いていた私は、ぶったまげた。5歳の女の子が「奇遇ですなぁ」って言ってるっ!すごぃ!と思ったのだ。 けれど、よく考えてみれば、この会話は、「私のおばあちゃんもメアリーよ、へぇー、偶然ねー」とふたりで言っていたに過ぎない。
英単語を自分の憶えた日本語に置き換えると、現実とのギャップに戸惑うことになる。 子どもの言った “ adjective ” という単語も、形容詞というよりも、日本語で小学3年生が習う「飾りの言葉」というような意味合いだったのかもしれない。
ところで、NHK続基礎英語のテキストの What a coincidence ! も一応、役に立ったわけですが、(合計8年近くのアメリカ生活で)あれ以来、一度も聞いたことがない。・・・・ということに、この日記を書いていて、ふっと気づいてしまったのでした。
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