samahani
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わたしが旧姓に戻った日は、私のいままでの人生の中でいちばんモテモテだった日でもある。
(♂) 「オレ、ずっと昔から山田さんのこと好きだったんだよ」 わたし「またまたぁーー よく言うよぉ 冗談でしょ」 (♂) 「ほんとだって・・ 信じてくれないの」
ってな具合で、立て続けに何人ものオトコに「愛の告白」なんかされちゃったのだ。
花々を飛び廻る蝶々のようにあちこちで愛想を振り撒きつつ、「イヤン、わたしったら 実は“いい女”だったりしたのかしら??」と、大いなる勘違いをしそうになったその時、ふと さっきまで親しく話をしていたオトコを振り返って見れば、そいつ・・・
別の女と楽しげに話しこんでいやがった。(笑)(きっとさっきと同じこと言ってるんだろうな・・)
ま、こんなもんなのさ 同窓会って。
この夏、中学を卒業して26年目にして初めての同窓会があった。
みんな、どんなふうに変わったんだろうって楽しみで仕方なかった。受付で誰かを見つけるたび、「きゃー! ウソでしょぉー!」なんて大騒ぎしてしまった。ビックリ箱、もしくは生きてるタイムカプセル。人の顔見て笑うなんて、なんて失礼なヤツなんだわたし。
「出席できないから写真を撮って来て」という友だちのために、カメラを持ってあちこちの席を廻ったら、「えっ 写真? いーよ、もちろんツーショットでしょ」と言いながら、ちゃっかり抱きすくめたりして、「この手は何!?」とか思ったり。写真だって言ってるのに「えっ ダンス?」とか言って、私の手を取って踊りだすオトコもいたり。
でもね、くどき文句をばら撒いたり抱きついて来たりする同級生を見て、あの、純情で、いたいけだった男の子も、時を経て、スケベ心満載な立派なおじさんになっていたのねと、怒るよりも、しみじみとしてしまったのだ。
そういうわたしだって、「なぁにぃー!? このハラ」って言いながら、まん丸くなった(元)男の子のお腹を、触って撫でていたのだもの、人のこと言えない。
そういうのを「おとな」って言うのかどうか分からないけど、みんな大人になったんだよね。すっかり忘れてしまってた15歳の頃を少しずつ思い出してきて、懐かしさに浸った夜。もしかして私はいい女なのかと勘違いしちゃった夜。
たまにはそんな楽しい夜があってもいいさ。余韻がなかなか抜けなくて、電車の中で思い出し笑いなんかして、大変だったけど。
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