samahani
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2003年04月03日(木) |
FREEDOM IS NOT FREE |
2年前の春休み、父と甥が、ワシントンに遊びにきた。甥はそのとき中学1年生で、初めての海外旅行であり、英語を勉強し始めてやっと一年経ったばかりでもあった。
ワシントンD.C.の観光場所はそう多くないし、いろいろな所に拡がってもいない。ホワイトハウスやリンカーン記念館、ワシントン・モニュメントのすぐ近くに、ベトナム戦争戦没者慰霊碑と朝鮮戦争戦没者慰霊碑がある。その慰霊碑の石の壁に、「 FREEDOM IS NOT FREE 」 と書かれて(彫られて)いる。それを見て、私は、「『自由は自由じゃない』ってどういう意味だか分かる?」と、ふたりに問いかけた。
「『自由はタダじゃない』ってことでしょう」と答えたのは父だった。「今のアメリカの自由は、戦争による犠牲者という、代償を払って得られたものだって言ってるんだよ」という私の説明を、ふーんと聞いていた甥。彼はこの言葉をまだ覚えているだろうか。
植民地時代のアメリカが、独立して自由を勝ち得るためには、たしかに戦争も必要だった。けれど、イラク戦争は、(ベトナム戦争も朝鮮戦争も)アメリカの自由とは何の関係もない。なのに、自由を勝ち得るためには代償も必要なことだと戦争を肯定してしまうこのアメリカ人のメンタリティーが、今回の戦争にも大きく関係しているのだろうなと、このところの戦争関連の記事を見ていたら、ふとこの時のことを思い出したのだった。
アメリカにももちろん戦争に反対する人はたくさん居るけれど、(たぶん)インテリ層の一部の人に限られている。選挙でブッシュを選んでしまうような他のアメリカ人は、戦争というと反射的に絶対反対と唱える日本人とは、元々持っているメンタリティーが違っていて、彼らには、戦争に反対する気持ちは理解できない(伝わらない)のかもしれない。
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